男子テニスのドバイ・デューティ・フリー・テニス選手権(アラブ首長国連邦/ドバイ、ハード、ATP500)は1日、第2シードの
A・ルブレフと第7シードの
A・ブブリク(カザフスタン)のシングルス準決勝が行われたが、7-6 (7-4), 6-7 (5-7), 5-6の時点でルブレフが線審に詰め寄り怒鳴りつけ、スポーツマンシップ違反で失格となった。試合後、この判定が物議を醸している。
>>【動画】ルブレフが線審を怒鳴りつけ失格となった衝撃の一部始終<<ロシア出身で世界ランク5位のルブレフは同大会で一昨年は優勝、昨年は準優勝を飾っており、今大会も準決勝まで駒を進めた。
この日の準決勝、1セットオールで迎えたファイナルセットは両者1度ずつブレークを奪い合い終盤に突入した。
すると第11ゲーム、ブブリクがゲームポイントを握った場面でブブリクの放った深いショットがイン判定となりそのままラリーが続くと、ブブリクがポイントを獲得しキープした。
今大会はエレクトリック・ライン・コール(自動線審)が採用されておらず線審がジャッジしており、選手はチャレンジを利用して判定を覆すことが出来る。ルブレフもこの場面でポイントを止めてチャレンジを利用することも出来たがラリーを続ける判断をした。
しかし、このポイントを落としたルブレフはボールがアウトだったと線審に猛抗議。激しく怒鳴りながら線審に詰め寄った。
その後、近くにいたロシア語を理解する別の線審が主審とスーパーバイザーにルブレフがロシア語で不適切な言葉を放ったと証言。これによりルブレフはスポーツマンシップ違反と認定され失格となった。
この結果、ルブレフは今大会で得たポイントと賞金約2,400万円(157,755ドル)を没収されることとなる。
しかし、ルブレフはコート上で線審に詰め寄った際に英語で言葉を発しており、不適切な言葉は発していないと主張していることから、線審の証言だけではなくビデオでリプレー検証をすべきであったのではないかとの声が上がっている。
男子テニスで世界ランク24位の
A・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)は自身のXでこのことについて言及した。
「線審の理解が正しいかどうかを最初に確認せずルブレフを失格にするのは非常に不公平だ。このルールは見直して変えるべきだ。恥ずべきことだ。テニスにもVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が必要だ」
「彼がやったことは正しくないが、線審が主審に言ったことが正しいという証拠もなく、賞金とポイントをすべて取り上げるのは不公平に思える」
女子テニスで世界ランク12位の
D・カサトキナはXで「つまり、ビデオリプレーをチェックすることなく、プレーヤーを失格にし、ポイントと賞金を取り上げることができるということなの?冗談でしょ。テニスには全大会でVARとエレクトリック・ライン・コールを導入する必要があることが改めて確認された」と投稿した。
ファンもこの判定にSNSで様々な意見を寄せている。怒鳴りつけているのだから失格になって当然だという意見も多数ある一方で、「確認もしないで失格なんてありえない」「馬鹿げた判断だ」「ルールをしっかり決めてくれ、他の選手でもこうなっていたのか?」「ロシア語を言っているようには聞こえない」という声から、これは国籍による差別だという声まで上がっている。
また、今回の問題はエレクトリック・ライン・コールを採用していなかった大会側に問題があるという意見も出ており、この問題による波紋は今後しばらく広がりそうだ。
一方、思わぬ形で決勝に進出したブブリクはタイトルをかけ決勝で第5シードの
U・アンベール(フランス)と対戦する。アンベールは準決勝で第1シードの
D・メドベージェフを下しての勝ち上がり。
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