男子プロテニス協会のATPは2日、2010年のバンクーバーオリンピックのアルペンスキー滑降で金メダルを獲得したリンゼイ・ボンのコメントを紹介。全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)で四大大会初制覇を成し遂げた
J・シナー(イタリア)について語った。
ボンは2009年のアルペンスキー世界選手権の滑降とスーパー大回転で優勝。その後もトップ選手として活躍し、2018年の平昌オリンピックでも滑降で銅メダルを獲得した。ワールドカップでは総合優勝4回、滑降の種目別優勝8回、スーパー大回転の種目別優勝5回を誇っているスキー界のスーパースターだ。
テニスに関しては大のファンで、昨年はウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)や全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)を現地で観戦している。
また、シナーも幼少期はスキーでプロ級の腕前を誇っており、オフシーズンは雪山でスキーを楽しむ動画をSNSなどにアップしている。両者は数年前から親交があり、今回、シナーが全豪オープンを制したときにはテレビで様子を見ていたと明かした。
「彼(シナー)が元スキーヤーであることは、本当に特別なことだといつも思っていたし、そこが私たちの接点になったの。彼はかなりシャイな男だけど、本当に謙虚で、いつもとても親切。彼はスポーツに対して素晴らしい視点を持っていると思うし、その一部はスキーからきていると思う。そのことについては何度も話したのよ」
「彼は素晴らしいアスリートで、とても頭がいい。彼が優勝する前から優勝すると思っていたけれど、彼は長く活躍する選手だと思う。正直なところ、彼はロジャー(フェデラー)を彷彿とさせるの」
「プレッシャーにさらされていて、サーブを打たなければならないときがある。マッチポイントか何かを握られているとき、もしそのポイントを逃したら、という時ね。でも、そこを守り切って何も起こらないという世界線もある。スキーだって、ターンがうまくいかなければクラッシュし、大怪我をする可能性もあるの。逆に、技を決め切って栄光をつかみ取るときもね」
「どんな状況であろうと、すべてを出し惜しみしない。そしてその視点は、ほとんどの人、ほとんどのアスリートとは本当に違うと思うの。ひとつミスをすれば、終わる。私はリスクが大好きで、速く滑るのが大好きで、アドレナリンやそういったものすべてが大好きだった。でも、これはとても危険なスポーツで、そのせいで私は怪我をして犠牲になってしまった。だからヤニック(シナー)にはいつも『正しいスポーツを選んだね』と話しているわ(笑)」
また、ボンはシナーのスキーレベルについて「彼は本当に背が高いから、背が高ければ高いほど滑るのは難しいと思う。でも、彼のテニスに似ていると思う。彼はとても流れるようでエレガントだし、カーブもできるし、とてもいいターンができるの。とてもスキルが高く、本当にエレガントなスキーヤーよ」とコメント。
最後には、シナーが今後もビッグタイトルを勝ち取れるかどうかについて話した。
「彼と知り合ってまだ数年だけど、自信は確実に成長している。彼は公にも話しているけれど、肉体的に強くなっているわ。本当に背が高いけど細身だった。でも、間違いなくそれを埋めて強くなろうとしている。彼は成熟し、成長しているし、良くなる一方だと思う。キャリアでどんな成功を続けるのかを見るのが楽しみね」
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