テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は1日、男子シングルス2回戦が行われ、第2シードの
R・ナダル(スペイン)が世界ランク60位の
F・フォニーニ(イタリア)を2-6,6-4,6-2,6-1の逆転で破り、2019年以来3年ぶり14度目の3回戦進出を果たした。試合後には第4セット途中で鼻を負傷し流血するアクシデントについて「まだ少し痛い」と語った。
>>メドベージェフ、ナダルら全米OP男子 組合せ<<>>セリーナ、シフィオンテクら全米OP女子 組合せ<<過去2010年・2013年・2017年・2019年の計4度優勝を飾っており、今大会は優勝した2019年以来の参戦となる36歳のナダル。1回戦では世界ランク198位の
R・ヒジカタ(オーストラリア)(オーストラリア)を4-6, 6-2, 6-3, 6-3の逆転で下して初戦突破を決めた。
この試合、ナダルは35歳のフォニーニに対し、ストローク戦でミスを重ね第2ゲームで先にブレークを許す苦しい立ち上がりに。その後もフォニーニに強烈なフォアハンドのダウンザラインを決められるなど挽回できずに中盤へ。第7ゲームでもピンチを招くと、最後はダブルフォルトを犯し2度目のブレークを奪われた。直後の第8ゲームではブレークチャンスを握るがこれを決め切れずにキープされ、第1セットを落とす。
第2セットでは第5ゲームまで両者1度もサービスゲームのキープができず、ナダルの2-3とシーソーゲームに。しかし、第8・第10ゲームと最終的に4度のブレークに成功したナダルがセットカウント1-1に追いついた。
第3セットでは3度のブレークに成功したナダルがブレークを1度に抑えセットカウント2-1と逆転。勝利に王手をかけると、第4セット前にフォニーニは足の治療を行った。
第4セット、第2ゲームで先にブレークを奪ったナダル。第4ゲームのファーストポイントでは、ナダルがバックハンドを打った際にバランスを崩し、1度地面に当たり跳ね返ったラケットがナダルの顔面に直撃するアクシデントが発生。鼻の一部分から出血しメディカルタイムアウトを取得する。アクシデントが起きたものの、ナダルは集中力を切らすことなく、フォニーニにブレークバックを許さず勝利。2時間42分で3回戦進出を決めた。
試合後の記者会見でナダルはラケットが鼻に当たるアクシデントを振り返り自身初の経験だったと語った。
「正直に、まだ少し痛いよ。でも勝てたから良いね。ひどいスタートから一転してハッピーだ。試合前の感触は良かったから、どうしてあんなにひどいスタートを切ってしまったのかまだ理解できていない。でも、そうだね、こういうことは時々起こる。それを受け入れて前に進むことが必要なんだ。僕はそうしてきた。ファビオ(フォニーニ)がいくつかミスをしたのが幸いして、僕はいくつかのボールを入れることができたし、試合は明らかにうまく、いいプレーで終えることができた」
「ただ、鼻は強い衝撃を受けただけなんだ。最初のうちは折れたかと思った。とても痛かったからね。英語でどう言えばいいのかわからないけど、頭の感覚が少し失われた。世界と少し離れてしまったということだ」
また、この試合では第2セット途中までリードを許し、敗北が近づいていたことにも言及。その状態のときに自身がどのような心持ちでプレーしているか明かした。
「テニスは瞬間が大事なんだ。このゲームで最も重要なことは、自分のプレーが悪いとき、あるいは相手があまりにも良いプレーをしているときスコアにこだわり過ぎないこと。そして、自分がとてもいいプレーをしているときはアドバンテージを作ることだ」
「適切な瞬間に、適切なことが起こるようにすること。今日の僕はしばらくそれができていなかった。それから、競争し始めたと思う。それが1セット半の間、僕が求めていたことなんだ。それまではいつもと違って競り合えていなかった」
「でも、ポジティブに考えてそこに留まった。ポジティブでいられたんだ。たとえ災難に見舞われたとしても、あまりイライラすることはなかった。ただ状況を受け入れて、自分が優秀だと思わないように、多くの失敗を受け入れすぎないように、謙虚でいられたことが勝因だ」
3回戦では世界ランク91位の
R・ガスケ(フランス)と対戦する。ガスケは2回戦で第32シードの
M・キツマノビッチ(セルビア)を下しての勝ち上がり。
同日には第3シードの
C・アルカラス(スペイン)、第7シードの
C・ノリー(イギリス)、第9シードの
A・ルブレフ、第11シードの
J・シナー(イタリア)、第14シードの
D・シュワルツマン(アルゼンチン)、第15シードの
M・チリッチ(クロアチア)らが3回戦へ駒を進めた。
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