■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
>>【YouTube】ダブルスのボレーに最適 【テニス】 ラケット「テクニファイバー TF-X1」<ウインザー新宿店 後編> <<>>【YouTube】ヨネックス 新作「V CORE PRO」を徹底検証<ウインザー新宿店 前編><<「ヨネックスVコアプロ97とVコアプロ100を新旧で比較してみました。」
まずは、スペック比較。
2019Vコアプロ97 フェース面積97平方インチ
ウエイト310g、バランス310mm、フレーム厚20mm
RA値61.5(ギーク調べ)
2021Vコアプロ97 フェース面積97平方インチ
ウエイト310g、バランス310mm、フレーム厚21mm
RA値57(ギーク調べ)
尚、2019Vコアプロ97にあったLG(290g)は、2021Vコアプロ97では発売していません。
2019Vコアプロ100 フェース面積100平方インチ
ウエイト300g、バランス320mm、フレーム厚21mm、RA値65(ギーク調べ)
2021Vコアプロ100 フェース面積100平方インチ
ウエイト300g、バランス320mm、フレーム厚23mm、RA値60(ギーク調べ)
VコアツアーG、VコアデュエルG、前々作Vコアプロ、前作Vコアプロと一貫していたのは、フレームの厚さでした。
20mmのストレートビームで、適度なしなりと打ちごたえのある芯が詰まった感じの打球感が絶妙でした。
ところがずっと守られてきた20mm厚でしたが、今作は1mm厚くなり、21mmに、Vコアプロ100に至っては、2mm厚い23mmになったのです。
それともう一つ大きく変わったところがあります。
フレームの硬さが柔らかくなったのです。
元々Vコアプロはしなるのが特徴でしたが、RA値で約5ポイント低くなったのです。普通、フレーム厚が厚くなると物理的にしならなくなりますが、厚くなった上にしなりが大きくなったのには何かしらの変化があったことを意味します。
柔らかさが前作より11パーセントアップするフレックスフューズ複合カーボンをシャフト部分に採用し、さらにV字のシャフト部の長さを10mm長くし、柔軟性が高い逆R断面構造を採用しました。その結果、前作より36パーセントしなりがアップしています。トラックマンでの比較と、ダブルスでのテストをしてみました。
まずは、Vコアプロ97の比較です。
2019Vコアプロ97 スピード103.7km、
スピン1487/rpm
2021Vコアプロ97 スピード102.2km
スピン1273/rpm
しなることで、スピードは出なくなってしまったのでしょうか。
次に、Vコアプロ100の比較です。
2019Vコアプロ100 スピード105.1km
スピン1333/rpm
2021Vコアプロ100 スピード108.4km
スピン1533/rpm
スピード、スピンともにニューモデルが大幅に数字を上げています。
ニューモデル2機種に共通していることは、打球感がマイルドで、しなることでボールとストリングがコンタクトしている時間がながくなり、コントロールがしやすくなっています。
歴代のシリーズの中で最も易しくなっています。
やはりフレーム厚が2mm厚くなっているとパワーが
増します。
この後、ダブルスのゲームで使用してみました。
2021Vコアプロ97は、リターンの時に浮かずに、ネットギリギリを通すショットがフォア、バックともに打て、相手のボレーミスを引き出しました。
ネットプレーもしやすく、ローボレーを深く打ったり、アングルにドロップを打ったり、距離のコントロールが自在でした。
2021Vコアプロ100は、コンパクトなスイングでも威力が出るので、劣勢からでも逆転のショットが打てたり、相手のセカンドサービスを強気に叩けたり、終始攻撃的に攻めることができました。
サービスゲームでも、スピンサービスの跳ねがあり、前衛にポーチしてもらうことが度々ありました。
2019モデルと比較しながら、ゲームを行ってみて、97も100も2021モデルの方が易しくなっていると実感しました。
2021モデルは易しくなっているため、もしかすると物足りないと思う方もいらっしゃると思います。その場合は、1個上のモデルを試してみるのもいいでしょう。
現在2019Vコアプロ97を使っている方は、2021Vコアプロ97D(320gで18×20)へ。
2019Vコアプロ100を使っている方は、2021Vコアプロ97へ。次回は、新規格モデルの2021Vコアプロ97Dと2021Vコアプロ104を検証していく予定です。
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