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コナーズ「良い悪役だった」

アメリカはフロリダ州ボカラトンで火曜日、元世界ランク1位のJ・コナーズ(アメリカ)がかつての戦友であるA・クリックステイン(アメリカ)とエキシビション・マッチを行い、詰めかけたファンに往年の名プレーを披露した。

そのエキシビションでは、長いラリー戦が繰り広げられたが、コナーズはそのラリーの最中に「お互いこんな長いラリーをしたことがあったかい?」と語り、観客を笑わさる場面があった。

この個人的に行われたエキシビションは、有名な1991年の全米オープンでの両者の対戦を思い出させた。3度の人工股関節置換手術を受けていたコナーズだが、この1セットマッチのエキシビションへの招待を快く了承した。会場はクリックステインが運営するセント・アンドリュー・カントリー・クラブの中のテニスコートで行われた。

試合前にコナーズは、これが人前でする最後の試合と語っていた。なぜなら、手術を受けた臀部ではもう競技レベルでの試合は出来ないからだとしている。もう2年もの間、公の場でテニスをしていない。コートに立ったコナーズは、一見万全の状態に思えたが公式の場でのテニスから去る準備も出来ていた。

ウォーミングアップ中には、コナーズは左腕の痛みから顔をしかめることもあった。試合が始まりわずか2ポイント後には深呼吸をしたコナーズは、3ゲームが終わると胸に手を当て首の脈を測りながらいつものように観客を楽しませていた。

「47歳だったら良かったのに。」と、コートチェンジの時に呟いていた。その試合コナーズは、5-8で負ける結果となった。

現在62歳のコナーズは、それでも同窓会のようなこのエキシビションを本当に楽しんでいるようだった。しかしクリックステインが8ヶ月前に電話でこのエキシビションの話を持ちかけた時に両者は、数年ぶりに会話を交わしていた。

クリックステインは「特に理由なんてないんだ。お互いが歩んだ道が交差しなかっただけ。1991年のあの試合に負けたから、その怨みをジミー・コナーズに抱いていたからとか、そんな事じゃないんだ。」と冗談を交えて語っていた。

その時の試合は、テニス史の中でも最も記憶に残る試合にランクされている。1991年のレイバーデー(アメリカの9月の第1月曜日に設定されている労働者の日とする祝日)、そしてコナーズの39回目の誕生日の日に行われたクリックステインとの全米オープン4回戦、フルセットにもつれた試合の第5セットでは、コナーズは2ー5と劣勢に立たされるもそこから反撃に出てタイブレークの末に勝利を飾った。

その大会は準決勝で敗退したコナーズだったが、その大会を振り返り「テニス人生の最高の11日間だった。」と表していた。

それから数年経った今でも、全米オープン期間中に悪天候などで試合が中断した時などに、テレビでその時の試合が流されるほどである。コナーズはあの試合以来、まだ一度もその試合の模様の再放送を見ていないと言う。どうしてあの試合を未だに流すのか不思議でならないと言う。

「分からない。何がそんなに引き付けられるのか。色んな事がテニスで起きているし、今も素晴らしい選手もいるのに。彼の方が良い選手さなんて言わないでくれ。ただ事実を言っているだけなんだ。どうしてあの試合なのか?」とコナーズ。

コナーズはわずかな間だけA・ロディック(アメリカ)のコーチをしていた事があるが、引退後はほとんどテニスとの関わりを持たずにいる。彼は彼が現役の頃のテニスの方が好きだと言う。あの頃はライバル関係がヒートアップしていて、かっこつけている試合が少なかった。

「我々は全てを与えたよ。楽しみ、論争、興奮、ドラマ、そして個性。だから皆はあまり我々を好きじゃなかった。我々がした事は批判されるばかりだった。」

コナーズは現役時代は自ら悪役を買っていた。しかしエキシビションは楽しい催しであり、そのカントリー・クラブに最適な振る舞いをしていた。

この日コナーズは、現役の頃と同じようにベストを着ながらプレーしていた。しかし当時のような短パンではなく、この日は長ズボンを履いて現れていた。愛用していたかつてのラケットは家に置いてきていた。彼が優勝を飾っていた時でさえ、そのラケットはすでに旧式のものだった。

そしてかつてのような俊敏な動きも影を薄めていた。

「自分に取ってテニスの楽しみの1つは、走り回ること。でも今は自分ができない事の1つになってしまった。それはかなりストレスだね。」とコナーズは今の素直な気持ちを語っていた。

動きに精彩を欠いてはいたが、彼のグランドストロークは健在だった。フラットで巧みなショットを放っていた。そしてネットへつめたクリックステインの横を抜く鮮やかなパッシングショットを放つ度に、詰めかけた観客から歓喜の声が上がっていた。

「自分だって皆さんと同じくらい驚いているよ。」と、ポイントを決めた直後におどける姿を見せていた。

主審を勤めたのはかつて世界のトップ5にいたJ・アライアス(アメリカ)で、彼はこのエキシビションを開催したクリックステインのタイミングをからかっていた。

「彼はジミー(コナーズ)が62歳になって3度の手術をするのを待っていたんだ。そしてジミーが苦手なサーフェースのテニスコートに誘ったのさ。」と語り、観客の笑いを誘っていた。

クリックステインは笑って答え、またコナーズに対して初めての勝利に再び笑顔になっていた。両者はネットを挟んで抱き合いファンと共にかつての時代を振り返っていた。

「自分は良い悪役だったね。」と、コナーズは過ぎた事のように語っていた。


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(2015年2月12日17時50分)

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