テニスのグランドスラム、全米オープン（アメリカ/ニューヨーク、ハード）は大会４日目の３０日、男子シングルス２回戦が行われ、第１シードのＲ・フェデラー（スイス）がＢ・パウ（ドイツ）に6-2, 6-3, 6-2と危なげなく勝ち上がり、３回戦進出を決めた。
３１歳のフェデラーと３２歳のパウによるベテラン対決は、１時間３０分のストレートでフェデラーが圧勝した。
両者がＡＴＰツアーレベルの本戦で最初に対戦したのは１３年前の全米オープン前哨戦、その時はパウがストレートで勝利を飾っていた。しかし、その後フェデラーは世界の頂点に君臨する事となった。
この日も世界ランク８３位のパウに対して１５本のサービスエースを叩き込み、試合を通して１度もブレークを許さなかったフェデラーは、第１セットで２度、第２セットで１度、第３セットでも２度のブレークを奪い、パウを寄せ付けなかった。
ドイツ人とインドネシア人の両親の元に産まれたパウは、1７５ｃｍと小柄な体ながらも、そのフットワークは見事なもので、左右に放つフェデラーのショットをことごとく返球し、時折見せるミラクルショットで会場を沸かせた。だが、世界ランク１位のフェデラーを倒すにはそれだけでは十分ではなかった。
「若い頃、ギリシャのフューチャーズ大会に出場した時に、彼(パウ)と一緒にいた事を思い出す。お互いラッキールーザーでの本戦入りを待っていたんだ。彼は本戦へ入れた。その時は彼の方がランキングが上だったから。そして今はこうしてお互い全米オープンのセンターコートに立っている。素晴らしい事さ。今夜こんな素晴らしい試合を経験出来るチャンスがもらえた事には喜びを感じている。」とフェデラーは、パウとの思い出を語った。
「今日は風もなく、テニスをするには最高の環境だった。色んなショットを繰り出す素晴らしい対戦相手との試合だった。いつものように試合をエンジョイ出来たし、ここニューヨークのナイトマッチでは特にね。」と、アーサーアッシュ・スタジアムでのナイトマッチで、今回の勝利により２３勝０敗へと伸ばしたフェデラーは勝利の喜びに浸っていた。
３回戦でフェデラーは、Ａ・ラモス（スペイン）に7-6 (7-4), 5-7, 7-6 (7-5), 6-4で勝利した第２５シードのＦ・ベルダスコ（スペイン）と対戦する。
この日行われた試合結果は以下の通り。
Ｒ・フェデラー (1) ○-× Ｂ・パウ, 6-2, 6-3, 6-2
Ｍ・クリザン（スロバキア） ○-× ＪＷ・ツォンガ（フランス） (5), 6-4, 1-6, 6-1, 6-3
Ｔ・ベルディフ（チェコ共和国） (6) ○-× Ｊ・ゾップ（エストニア）, 6-1, 6-4, 6-2
Ｎ・アルマグロ（スペイン） (11) ○-× Ｐ・ペッツシュナー（ドイツ）, 6-3, 5-7, 5-7, 6-4, 6-4
Ｍ・チリッチ（クロアチア） (12) ○-× Ｄ・ブランズ（ドイツ）, 6-3, 6-2, 5-7, 4-6, 7-5
Ｍ・ラオニチ（カナダ） (15) ○-× Ｐ・Ｈ・マチュー（フランス）, 7-5, 6-4, 7-6 (7-4)
Ｇ・シモン（フランス） (16) ○-× ワン・ユーツオ（台湾）, 6-4, 4-6, 6-4, 6-4
錦織圭（日本） (17) ○-× Ｔ・スミチェク（アメリカ）, 6-2, 6-2, 6-4
Ｍ・フィッシュ（アメリカ） (23) ○-× Ｎ・ダビデンコ（ロシア）, 4-6, 6-7 (4-7), 6-2, 6-1, 6-2
Ｊ・ブレーク ○-× Ｍ・グラノジェルス（スペイン） (24), 6-1, 6-4, 6-2
Ｆ・ベルダスコ (25) ○-× Ａ・ラモス, 7-6 (7-4), 5-7, 7-6 (7-5), 6-4
Ｓ・クエリー（アメリカ） (27) ○-× Ｒ・ラミレス=イダルゴ（スペイン）, 6-3, 6-4, 6-3
Ｆ・ロペス（スペイン） (30) ○-× Ｐ・アンジャー, 6-4, 6-1, 6-7 (5-7), 3-6, 7-5
Ｊ・シャーディ（フランス） (32) ○-× Ｍ・エブデン（オーストラリア）, 6-4, 6-2, 6-2
Ｊ・ソック（アメリカ） ○-× Ｆ・チポッラ（イタリア）, 6-2, 6-2, 6-4
(翻訳/弓削忠則)
（2012年8月31日14時35分）
今季最長の死闘で世界10位撃破 
