女子テニスで元世界ランク1位の
B・ジーン・キング(アメリカ)は日本時間25日に自身のSNSを更新。ダブルス元世界ランク77位のT・ムーア(イギリス)に対し、テニスの不正を監視することを目的とした機関 ITIA(国際テニス インテグリティ・エージェンシー)がプレー禁止処分を取り消したことについて「ランキングを復活させるべきだし、失われた賞金の補償についても検討する必要がある」と言及した。
31歳のムーアは2022年5月27日にドーピング検査で陽性反応が検出されたため暫定の出場停止処分が下された。そして今年12月14日と15日、この判決に関する公聴会が開かれた。その結果、独立裁判所は検体採取の数日前に摂取した肉が汚染されており、それが検出された禁止薬物の出所であると発表。したがって選手には違反について過失がないと判断した。
約19ヵ月間にわたりプレーを禁じられたムーアはこの発表に対してSNSで「私たちが経験したことを再構築し、修復し、回復するには19ヵ月以上かかるだろうけどこれまで以上に強くなって戻ってくる」とつづった。
25日、キングは自身のXでこのニュースを引用しコメントした。
「このニュースを聞いて嬉しく思う。ムーアのランキングを復活させるべきだし、失われた賞金の補償についても検討する必要がある」
女子テニス界に多くの変革をもたらし、現在80歳のキングの言葉がどう影響を及ぼすか注目される。
さらに
A・マレー(イギリス)の母親であるジュディ・マレー氏もXで「タラ(ムーア)はトップ100に入り、イギリスでナンバー1のダブルスプレーヤーになったばかりだった。選手のキャリアのどの段階においても、19ヵ月というのは失うには長い期間であり、汚名を晴らすことに伴う精神的、経済的ストレスに値段はつけられない」と発言。
また、多くのトップ選手のコーチを務め、現在は男子の
J・シナー(イタリア)のコーチであるダレン・ケーヒル氏は「すべてが完璧にいったとしても、タラがランキングを回復するには18~24ヵ月かかる。テニスは12ヵ月後にはポイントが全滅してゼロになるという特殊なスポーツだ。WTA(女子テニス協会)は彼女のランキングを復活させるか、少なくとも暫定的なランキングを提供すべきだ」とXに投稿している。
なお、ITIAはダブルス元世界ランク158位のB・ガティカ=アヴィレス(チリ)に対しても、ムーアと同様の理由で処分を取り消した。
ITIAは世界の特定の地域における食肉汚染のリスクに関する情報を全ての選手に向けて発信しており、それを今後も継続していくとしている。
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