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錦織の張り 3つの流儀とは

錦織圭
錦織圭が使用するラケット
画像提供: tennis365.net
14日、男子テニスの最終戦 Nitto ATPファイナルズ(イギリス/ロンドン、室内ハード)のオフィシャル・ストリンガーを2003年から務めているフランスのラケットスポーツメーカーTecnifibre(テクニファイバー)が取材に応じた。錦織圭のラケットを担当するステファン氏が「ニシコリ スタイル」を語った。

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ストリンギング・ゾーン


テクニファイバーのストリンギング・チームリーダーであるステファン氏は今大会で錦織、K・アンダーソン(南アフリカ)D・ティーム(オーストリア)らのラケットを担当。1本あたり約12分で仕上げ、1時間4本ペースでスケジュールを組んでいる。


(手前から)ステファン氏とマックス氏


ステファン氏は錦織の張りに対する要望は「たくさんある」と口にした。

錦織の張りには3つの流儀がある。

1.オンコート・スタンバイ用に4本を事前準備

当日張りを希望する錦織は、R・フェデラー(スイス)との初戦で7本を張りに出した。5本は同じテンション数(張りの強度)、1本は違うテンション数、もう1本はまた違うテンション数を要望。

試合前ラケットをピックアップする際には、さらに4本をストリンガーへ渡す。その4本はオンコート・スタンバイ用と言われ、錦織が試合中に主審へ張りを依頼した際にステファン氏はATPから指示を受けてすぐに張れるよう準備をしておくためである。

ステファン氏は「他の選手はオンコート・スタンバイ用のラケットをボールボーイに渡すのが通常。でも、錦織の場合は事前に4本ストリンガーに渡しておく。それは『ニシコリ スタイル』だね」と言う。

「事前に7本も張るのに、さらに4本出すのは他にいない。錦織は試合前に4本を預けるため、プライベートのストリンガーではなくオフィシャルストリンギングを利用している」




2.テンション数(張りの強度)

アンダーソンとの第2戦で錦織は縦40−横38を5本、縦39−横37を1本、縦38−横36を1本で依頼していた。

ステファン氏は、錦織が各大会に臨む際は新しいストリンガーやマシンで張るため2・3本を違うテンション数で試し、それに応じて大会での基本のテンション数を決めていると話す。

また、手首の負担を軽減させるため「2015年と、手首のけがから復帰した今年を比べると、今は以前よりテンション数は低くなっている」と明かした。

2015年のATPファイナルズでは縦57−横55だった。

「ここまでテンションを変える選手は過去にいない」とステファン氏は語る。

使用するストリングも錦織は復帰後に変えた。これまでは縦ポリエステル・横ナチュラルだったが、現在は縦ナチュラル・横ポリエステルに変更している。




錦織からのオーダーシート


3.ステンシル
使用するラケットメーカーのステンシルインクをつける際、錦織は薄く塗るのを好む。その理由は、濃く塗ると塗料が固まりボールを打った時にガットが動かなくなるため。スナップバック(動いたガットが元の位置に戻ること)するように薄いステンシルカラーを求めている。




選手たちを支えるストリングの張りに情熱を注ぐステファン氏は、最後にストリンガーのやりがいを語った。

「自分が張ったラケットの選手が勝つことがうれしい。あと、試合が終わって『ありがとう』や『今回のラケットは最高だった』などのコメントをもらうことも喜びだよ」


ステファン氏

Nitto ATPファイナルズは8選手が2グループに分かれてリーグ戦を行い、各グループの上位2名が決勝トーナメントに進出。リーグ戦1位通過者は、もう一方のリーグ戦2位通過者と準決勝で対戦する。

【グループ・グーガ・クエルテン】
(1)N・ジョコビッチ(セルビア) 2勝0敗
(3)A・ズベレフ(ドイツ) 1勝1敗
(5)M・チリッチ(クロアチア) 1勝1敗
(8)J・イズナー(アメリカ) 0勝2敗

【グループ・レイトン・ヒューイット】
(2)R・フェデラー 1勝1敗
(4)K・アンダーソン 2勝0敗
(6)D・ティーム 0勝2敗
(7)錦織圭 1勝1敗

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(2018年11月15日19時25分)

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