男子テニスツアーのBNPパリバ・マスターズ(フランス/パリ、ハード、ATP1000)は4日、シングルス準々決勝が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)はベスト4進出を逃して世界ランク1位の座から2位へ後退する危機を迎えた。海外メディアのFOX SPORTSは3日、ジョコビッチは王座の座を死守するために、「愛と平和」を唱える教祖と呼ばれているスペイン人のペペ・イマズをチームの一員に招いたと報じた。
>>BNPパリバ・マスターズ対戦表<<ジョコビッチの準々決勝敗退により、第2シードの
A・マレー(英国)が決勝進出を果たした場合、初の世界ランク1位確定となる。
世界ランク1位の史上最長在位記録を持つ
R・フェデラー(スイス)超えようとしていたジョコビッチだが、マレーがそれを阻止しようとしている。
元プロテニス選手だったイマズとジョコビッチの関係が公になったのは、YouTubeに投稿されたイマズのスピリチュアル・セミナーの動画で、ジョコビッチの姿が確認されたからだ。
イマズの教えを受け入れているとしているジョコビッチは、今週のBNPパリバ・マスターズにイマズを帯同させており、通常共にツアーを回っている
B・ベッカー(ドイツ)とM・ヴァイダの2人のコーチの姿は確認出来ていなかった。しかし、ジョコビッチはイマズが周囲の思っているような教祖などではないとコメントしている。
「まず第一に、どこで彼(イマズ)が教祖などという話を聞いたんだ。彼はこれまでの人生において、ずっとテニスに携わってきた。今週は、僕の弟と一緒にこの大会へ来てくれて、一緒に練習もしてくれて嬉しく思っている」
「詳しいことを話すつもりはない。なぜなら、全く意味のないことだから。あるメディアが彼のことを教祖と呼んで取り上げているのは知っている。彼はチームの一員として帯同してくれている。ただそれだけ」
今回のジョコビッチのコメントに対して、イマズが教祖ではないと明言してはいないと受け取られている。加えて、ジョコビッチはイマズを守ろうとしているとも取られている。
イマズは瞑想や長い抱擁のパワーを信じている。そして、ジョコビッチがイマズとの交流を深め始めたのは、スランプに陥ったと言われ始めた全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)で初優勝した後から。
今年は全仏オープンで史上8人目の生涯グランドスラム(全豪・全仏・全英・全米の四大大会で優勝)達成の快挙を成し遂げたが、ウインブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)で3回戦敗退、リオデジャネイロ・オリンピック(ブラジル/リオデジャネイロ、ハード)では初戦で姿を消した。
全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は決勝へ進出したが、準優勝に甘んじた。
ジョコビッチの今季後半戦のスランプを考えると、全仏オープンの優勝で生涯グランドスラムを達成して、張り詰めていたものがプツリと途切れてしまったかのように成績不振に陥ってしまった。もしジョコビッチがそれを修復するために教祖・親友・友人の元テニス選手などと言われているイマズと話すことが必要なら、それを止めることはしないだろう。
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