テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は9日、男子シングルス準決勝が行われ、第10シードの
G・モンフィス(フランス)は第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)に3-6, 2-6, 6-3, 2-6で敗れ、四大大会初の決勝進出とはならなかった。
>>全米オープン対戦表<<現地時間15時から始まったこの試合、気温は32度を超え、高い湿度の中という厳しい状況で行われた。
この日の敗戦でジョコビッチとの対戦成績を13連敗のモンフィスは、試合後に行われた記者会見で、第1セットのゲームカウント0-5から、普段は見せないプレーのことについて終始質問が投げ掛けられた。モンフィスは試合前から、その戦術を取り入れる可能性があったことを明かした。
ジョコビッチのサービスに対して大きくコートの中へ入ると、棒立ちになってリターンを構えていた。スポーツチャンネルであるESPNの解説をしていた元世界ランク1位の
J・マッケンロー(アメリカ)は、試合を放棄するようなプロとしてスポーツマンらしからぬ態度だったと大きく非難。観客からも時折、モンフィスへのブーイングも起きていた。
そのことに対してモンフィスは「テニス界のレジェンドが自分を非難していると知らされて、とても悲しく思う。最終的にジョン(マッケンロー)へ言えることは、ただ最高の選手になりたいだけ」とコメント。
加えて「まず言いたいのは、実際コートに立って戦っているのは自分。コーチにもBプランでいくとサインを送っていたんだ」と戦術の1つだったことを力説した。
今回行った試合を投げ出したかのように見える戦術に対し、モンフィスはボクシングでモハメド・アリが用いた消耗作戦と同じようなものだと説明。それはリターンだけではなく、ラリーでも力のないスライスを多用したり、フルスイングをせずにボールを返球した。
「何か変化をつけるには、自分の持っているものを変えなければならない。自分が持っているものはスピード。ちょっとした直感や才能もね」とラリーに変化をつけ、これまで見せたことがない戦術を使った理由も語った。
「もちろん、観客はこんな戦術を見ることに慣れていないのは確か。でも、確実に彼(ジョコビッチ)の意識の中へ入り込もうとしたし、全く新しいものが彼の頭の中に作り上げられるように努めていた」
実際、ジョコビッチは自身のサービスゲームを40-0からブレークされてしまい、モンフィスに3ゲーム連取を許した。
しかしモンフィスは、その効果を勝利へ結びつけることが出来なかった。
(STATS - AP)
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