女子テニスツアーのロジャーズ・カップ(カナダ/モントリオール、ハード、プレミア5)は31日、シングルス決勝戦が行われ、世界ランク5位で第5シードの
S・ハレプ(ルーマニア)が第10シードの
M・キーズ(アメリカ)を7-6 (7-2), 6-3のストレートで下し、大会2度目の決勝進出で初優勝を飾った。
昨年の同大会はトロントで行われ、その時も決勝戦へ勝ち進んだハレプだったが、暑さのために試合続行が出来なくなり途中棄権を余儀無くされ、タイトル獲得には至らなかった。
この日の決勝戦では、ルーマニアの国旗の色である黄色と緑を身にまとったルーマニア人ファンが多数詰め掛け、国旗を振るなどハレプへ声援を送っていた。
「ここモントリオールはとても好きな街。たくさんのルーマニア人が応援に来てくれて、地元で試合をしているかのようだった。毎日、たくさんの人が応援に来てくれた。そして驚くような環境の中で試合をすることが出来た。」
「アナウンスをしてくれた人も、2つルーマニア語を使ってくれたから、よりモチベーションが沸いてきた。」と語るハレプは、大会後に発表される世界ランクで3位へ浮上することが決まっている。
ハレプはこれが今季3度目の優勝で、キャリア14度目のタイトルとなった。さらに、
M・ニクルスク(ルーマニア)と組んだダブルスでも決勝進出を果たしており、2000年の
M・ヒンギス(スイス)以来となるシングルスとダブルスのダブル優勝を狙ったが、ダブルスでは準優勝に終わった。
2週間前に母国ルーマニアのブカレストで行われた大会では、他を圧倒して優勝を飾っている。
1976年に開催されたモントリオール・オリンピックの40周年を祝う記念式典が先週執り行われ、ハレプもそれに参加していた。その式典には、器械体操で当時10点満点を連発し、ルーマニアを代表する世界的なアスリートとなったナディア・コマネチも姿を表していた。
「ここへ着いてすぐに、彼女(コマネチ)のためにその式典へ向かった。彼女と会ったこともモチベーションを高めてくれた。彼女が活躍した40年後に、こうしてここで優勝できたのはとても嬉しいこと。ルーマニアにとっても最高のことだし、それが出来て自分も満足している。」とハレプは気持ちを明かしていた。
暖かい日差しが降り注ぐ中で行われた決勝戦だったが、この日のキーズは武器である強烈なファースト・サービスが思うように入らず、ハレプが得意とするストローク戦へ持ち込まれてしまった。21歳で世界ランク10位のキーズは1時間16分で敗れ、準優勝に終わった。
「これまでのように、良いサービスが打てなかった。試合を通してそうだった。出だしはちょっとプレッシャーを掛けることが出来ていた。ちょっと下がって安全なボールを返しておけば良かったと思うような場面もいくつかあった。攻め急ぎ過ぎてしまったかも知れない。」とキーズは試合を振り返った。
3回戦で
V・ウィリアムズ(アメリカ)を下して勝ち上がっていたキーズは、週明けに発表される世界ランクで自己最高位に並ぶ9位へと浮上する。
「大会自体では、とても良いプレーが出来たと感じている。」と語るキーズは、ヴィーナスらと共にリオ・オリンピックへ向かう。
オリンピック欠場を決めているハレプは期間中を休養に当て、今回の優勝を数日の間だけ祝い、次に出場するシンシナティ大会へ向けて準備に入ると今後について語っていた。
(STATS - AP)
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