男子テニスツアーのシティ・オープン(アメリカ/ワシントン、ハード、ATP500)は24日、シングルス決勝が行われ、第2シードの
G・モンフィス(フランス)が第13シードの
I・カルロビッチ(クロアチア)を5-7, 7-6 (8-6), 6-4の大逆転で下し、約2年半ぶりのツアー優勝を果たした。
決勝戦、第1セットを落としたモンフィスは第2セットでも先にブレークを許すと、カルロビッチのサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えた。しかし土壇場でブレークバックに成功し、タイブレークへ突入。
カルロビッチに1度マッチポイントを握られる崖っぷちを跳ね退けたモンフィスは、ファイナルセットで1ブレークに成功し、自身のサービスゲームではブレークポイントさえ与えず、2時間13分で勝利した。
「正直、今日は正しくラッキーな勝利だった」と振り返るモンフィスは、210センチの長身から繰り出すカルロビッチのビッグ・サービスをブレークするには十分なテニスを披露していた。
これまでのATPツアーで24度も決勝へ進出するも、5度しか優勝しておらず、直近の9度の決勝戦でも1度しか勝利を飾れていなかった。
しかし今大会では、2014年2月に地元フランスで行われたモンペリエ大会以来の優勝に加え、自身初となるATP500大会での優勝を飾った。
メインスタジアムの周りにかかっているブルーの垂れ幕には過去の優勝者の名前が刻まれており、モンフィスはA・アッシュや
Y・ノア(フランス)らに並んで自身の名前も刻まれることを誇りに思うとも続けた。
「彼等は自分に大きな影響を与えた選手達。彼等のプレーを見ながら育ってきた。そんな選手達の名前に並んで自分の名前が刻まれるなんて、これほど価値があるものはない」と述べた。
この日は、第2セットのゲームカウント5-4から、カルロビッチはサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えていた。今大会、それまでの自身の53度のサービスゲーム全てをキープしており、カルロビッチの勝利はほぼ確実かと思われた。
「ほんのわずかな希望が残されているのではと思っていた。きっと彼(カルロビッチ)はちょっと緊張するかもしれないと言い聞かせていた。明らかに少し緊張していた」とモンフィスは、その時のゲームを思い出していた。
そしてモンフィスがこの試合で握った7本目のブレークポイントで、カルロビッチのフォアハンド・ボレーがアウトした。
その瞬間、カルロビッチは自身の臀部を叩きながら悔しさを露にした。
そのセットのタイブレークでも、カルロビッチは6-5とリードしてマッチポイントを迎えた。そこでモンフィスは187キロのサービスでカルロビッチのリターンミスを誘い、ピンチをしのいでセットカウント1-1とする。
ファイナルセットでは序盤でブレークしたモンフィスがゲームカウント2-1として流れを掴んだ。
この日の決勝戦は、気温が約38度にも昇る厳しい環境だった。29歳のモンフィスはカルロビッチとの対戦で何とか勝利するために、あらゆることに挑戦し、リターンのポジションを前にしたり後ろにしたりと変化をつけていた。
サーブ・アンド・ボレーを多用していたカルロビッチは、この暑さの中でそのプレーを続けるのはかなり苦しくなっていた。
モンフィスは「終盤で2時間以上この暑さの中でサーブ・アンド・ボレーを続けるのは、かなり辛いと分かっていた」と冷静に状況を分析していた。
(STATS - AP)
■関連ニュース■
・カルロビッチ 2度打ち認める・錦織 モンフィスに大逆転勝利・錦織 モンフィス戦「ほぼ諦めていた」