テニスにおける八百長疑惑がかけられた試合の数が急速に増す中、男子プロテニス協会であるATPの会長は24日、そのようなスポーツを腐敗させる行為に対して撲滅しようとしている機関へ、より多くの資金を費やすべきだとした。
ATPのC・カーモード会長と、テニス腐敗防止委員会のN・ウィラートン会長は、テニスにおける八百長や腐敗行為の疑惑が沸き上がっている中、イギリス議会の陪審員へ語りかけた。
ウィラートン会長は、八百長容疑がかけられたことを警告され、テニス腐敗防止委員会へ報告された試合数が2012年の14件から昨年は246件へと急増していると語る。
テニス腐敗防止委員会はテニスの運営機関によって創設され200万ドル(約2億2,200万円)の資金の元運営されている。ATPの売り上げのわずか0,4パーセントしかテニス腐敗防止委員会に使われていない。
カーモード会長は、それでは十分ではないとする意見に同意し「問題を解決するために必要な、様々なことに資金を費やすつもりでいる。」と語っていた。
先月行われた全豪オープン中に、BBCとバズフィード・ニュースが、テニス運営機関が八百長の証拠を隠ぺいし、この10年間にトップ50にいた16選手が関与した可能性がある腐敗行為にあたる事案の調査を怠ったと主張していた。選手の個人名は明かされてはいない。
文学、報道、スポーツ委員会が庶民院での公聴会の期間中、ウィラートン会長はテニス運営機関が八百長容疑のある事案を隠ぺいしたことは一度もないと断言し、その疑いのある選手の個人名を公にすべきとする提案を退けた。
「正式に違反行為を犯した証拠がない限り、有罪とは言えない。選手達はみなスポンサーを持っており、もし調査中の選手の名前を公表して、その選手が何も関与していないと分かったら、1つの情報の流れや八百長疑惑と思われることで選手個人の生活に支障をきたすかもしれない。それはフェアーなことだと思わない。」とウィラートン会長は想いを述べていた。
ウィラートン会長曰く、2013年以降5つの八百長疑惑がウィンブルドン以外のグランドスラムの試合で起きた。同時に、この八百長などの疑いのある事案がツアーでも上位の大会で起きることはかなり稀なことと加えていた。
このような疑惑がテニスというスポーツのイメージを害するかと問われたウィラートン会長は「疑いもなくそうであり、我々は正そうと試みている。だから、こうして全てを公にしている。」と答えていた。
テニスにおける八百長や腐敗行為に対しての独自の調査をすることは全豪オープン期間中に発表されており、それは少なくとも1年の期間を要するとしている。その捜査は、存在する腐敗防止の実施方法や手続きへの有効性も調査する。
「このテニスというスポーツは、数少ない腐敗防止委員会を持つスポーツである。より良い状態へ出来るか?答えはもちろんイエス。だからこそ独自の調査を行うのです。」とカーモード会長は力説していた。
(STATS - AP)
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