9月18日から20日に行われる男子国別対抗戦デビスカップの準決勝でイギリスと対戦するオーストラリアは、世間を騒がせている
N・キリオス(オーストラリア)をメンバーから外し
B・トミック(オーストラリア)をチームに呼び戻すと、監督であるW・マスーが明らかにした。
22歳のトミックは、ウィンブルドン期間中に試合後の記者会見の席でオーストラリア・テニス協会や協会役員である
P・ラフター(オーストラリア)について批難する発言をしていたために、カザフスタンと戦ったデビスカップの準々決勝のメンバーから外されていた。
7月にオーストラリアはダーウィンで行われた準々決勝で、カザフスタンを3勝2敗で下していた最中に、トミックは滞在していたアメリカのフロリダ州マイアミ・ビーチのホテルで、大きな音で音楽をかけていたために他の宿泊客から苦情が起き警察を呼ばれる騒ぎを起こし拘束される事件を起こしていた。
キリオスはウィンブルドンでの試合中に、暴言を吐いたりラケットを叩き割ったりした行為に対して、男子プロテニス協会から1万ドル(約120万円)の罰金が課され、彼の試合中の態度が激しく批判されていた。
キリオスは更なる罰金を課される事態になった。それは先月カナダはモントリオールで行われたマスターズ大会で
S・ワウリンカ(スイス)と対戦した時に、ワウリンカに対して下世話な発言をしたとして、1万2500ドル(約150万円)の罰金が課された。その発言はコートサイドのマイクが拾っており、同胞の
T・コキナキス(オーストラリア)がワウリンカのガールフレンドと関係を持ったとワウリンカへ伝えていた。
その後キリオスは、ATPが管轄する大会でこれからの6ヶ月の間で再び良からぬ行為を犯した場合、28日間の出場停止処分と2万5000ドル(約300万円)の罰金が追加されるという謹慎期間を言い渡された。その後キリオスが初めて出場した大会が現在行われている全米オープンで、1回戦では
A・マレー(英国)と対戦し敗退していた。
マレーはオーストラリアとのデビスカップ準決勝で祖国イギリスを代表して出場する可能性が高い。その準決勝はイギリスのグラスゴーで行われる。
オーストラリアは、来年の全豪オープンを最後に引退を発表している
L・ヒューイット(オーストラリア)を筆頭に、
S・グロス(オーストラリア)、コキナキスをチームへ招集して、ヒューイットとトミックらと共にイギリスとの準決勝へ臨む。ヒューイットは全米オープン2回戦でトミックに接戦の末敗れていた。
8日に出された声明では、マスー監督はトミックを呼び戻すことは、長い審議の後に決定したと語っていた。
「注目したいのは、バーニー(トミック)が行った行為の重大さを分かってもらう手助けをすることで、彼の態度を改善させる努力を続けることをどれほど真面目に行わなければならないかを彼に科すことなのです。」とマスー監督は語っていた。
加えて「ここまでは彼は変わろうとする意思を見せており、それを行動で表している。でもそれは長い道のりだし、それが彼の将来の行為に大きく関わってくるということをしっかり認識している。彼はチームのメンバーに選出されたことがどういう意味なのかを心に刻んでおり、将来過ちを犯すことはほとんど許されないんだ。」と続けていた。
マスー監督曰く、キリオスをチームから外すことは、お互い了承していると言う。
「ニック(キリオス)と彼のチームと友好的な話し合いを持ち、彼のテニスの全ての面で改善の手助けをすることを了承し、長く成功した将来を保証することに合意した。来週のデビスカップは、彼にとってあまりにも急すぎるし、我々の彼に対する計画はデビスカップは入ってはいない。」と、キリオスとの関係が悪いものではないと明かしていた。
(STATS - AP)
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