公式戦での不正行為の疑いをかけられていた
D・ブラッチアリ(イタリア)が、先週司法当局によって行われた聴聞の中でその一部を認めたと、検察官が現地水曜日に発表した。
「彼(ブラッチアリ)は、そのある一部を認め、またある一部を否定している。」と、検察官であるロベルト・ディ=マルティーノ氏がAP通信の取材に答えていた。
ブラッチアリは、何度かペアを組んでダブルスの試合に出場していた
P・スタラーチェ(イタリア)と共に、3週間前に公式戦で不正をはたらく証拠となるインターネット上での会話があったとし、訴えを起こされる可能性があるとイタリアのメディアが伝えていた。
イタリア出身選手ではこれまで、A・ディ=マウロ、G・ガリンベルティ、F・ルッズィが2007年から2008年の間に6週間から9ヶ月の出場停止処分を受ける罰則が下されている。
疑いがかけられる証拠となった会話は、サッカーの試合への八百長が行われていないか捜査していた中で、クレモナの検察官であるディ=マルティーノ氏が率いる捜査官達が集めたデータの一部として発見された。そしてそれはサッカーにとどまらず、世界各国へと広がりを見せている。
「現実問題として、サッカーのケースと同じ流れです。そして世界中へ広がるレベルに達しているのです。」とディ=マルティーノ氏は危機感を募らせた。
2011年半ばからイタリアでは、クレモナ、バーリ、ナポリの検察官らによって、疑いのあるサッカーの試合への八百長が行われたとして、100人以上が取り調べを受けている。
スウェーデン出身の元プロテニス選手であるトーマス・ニダールも八百長へ選手を勧誘したとして取り調べを受けている事については、肯定も否定もしなかった。
「何も言えません。彼(ニダール)がどこにいるか分からないのです。」と語るディ=マルティーノ氏は、現時点では他の国の選手の関与はないとも加えていた。現在46歳のニダール氏は、1998年には自己最高位の78位を記録した選手。
2007年7月に、スカイプでブラッチアリと会計士の間で交わされた会話では、ロードアイランド州ニューポートで行われた試合での八百長の内容が残っており、その試合はブラッチアリが2-6, 1-6で敗れていた。その会計士は既に逮捕されている。
2011年には、その後逮捕される事となった賭博場の経営者が、スタラーチェがカサブランカ大会の決勝戦で不正を働く事に合意したと聞いていると語っており、その決勝戦でスタラーチェは
P・アンドゥハル(スペイン)に1-6, 2-6で敗れていた。
その会話の信憑性については認めているディ=マルティーノ氏だが、ブラッチアリの件の聴聞での詳しい内容に関しては守秘義務があるため明かせないとしながらも、スタラーチェと既に引退している
M・サンタンジェロ(イタリア)に対しても聴聞が行われる事を認めている。サンタンジェロはスカイプでの会話の中で名前が上げられていた。
36歳のブラッチアリは、シングルスでは2006年5月に自己最高位の49位を記録するも現在はダブルスのスペシャリストとして現役を続けている。33歳のスタラーチェはシングルスで2007年10月に自己最高位の27位を記録し、現在もダブルスに加えシングルスでも現役を続けている。
両者は先月、今回の不正の疑いを報じられた時に行われていたクレムリン・カップにペアを組んで出場していたが、その準々決勝敗退後は公式戦への出場はない。
ブラッチアリ、スタラーチェ、サンタンジェロ、いずれの選手も公へ向けてコメントなどは出していない。
その他、男子テニス選手で八百長によって処分を受けたのは、2011年に
D・ケレラー(オーストリア)、2012年にD・サビッチ、そして今年
A・クマンツォフ(ロシア)が生涯出場停止処分と言う重い処分を受けた。
7月にはオーストラリアにある国際テニスの八百長組織で、1人が起訴され5人が逮捕されている。
イタリア・テニス協会会長は、もしこの事案が真実と証明されたら、厳しい処置を取る必要があると事態を重く受け止めている。
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