8月25日から開幕する今季最後のグランドスラムである全米オープンに、前年度チャンピオンで世界ランク2位の
R・ナダル(スペイン)が、現在治療を続けている右手首の怪我を理由に欠場する決断を下した事を、月曜日に自身のフェイスブックで明らかにした。
「これまで出場した3年連続で決勝の舞台に進出していた大会である全米オープンに今年は出場出来なくなってしまった事を残念ながらお知らせしなければなりません。」と、ナダルは自身の公式フェイスブックで綴っていた。
続けて 「ファンからの声援や、ナイトマッチなどなど沢山の思い出がある大好きな大会への欠場を決断した今、自分が辛い時間を過ごしている事をきっと理解してくれている事でしょう。この状況を受け入れる以外には、今は何も自分に出来る事はありません。今はただ、またコートに戻った時にベストのプレーが出来るために全力を尽くす事しか出来ません。」と自身の辛い気持ちを明かしていた。
28歳のナダルは、7月29日に故郷であるスペインはマヨルカ島でアメリカのハードコート・シーズンへ向けての練習中に手首を負傷。翌日にはナダル自身が、2・3週間は手首にギプスを装着しなければならない事実を語っていた。そのためにトロントとシンシナティでのマスターズ1000大会の欠場を余儀なくされた事も伝えていた。
全米オープンへの出場を視野に、治療とリハビリに専念していたナダルだったが、この日はその思いも届かず悲しい知らせをする結果となってしまった。
《ナダル怪我の記事はこちら》これまで前年度チャンピオンが翌年の大会を欠場したのは、1971年の
K・ローズウォール(オーストラリア)、2003年の
P・サンプラス(アメリカ)、そして2010年の
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)で、ナダルはそれに次ぐ4人目となった。
2010年にナダルは、
N・ジョコビッチ(セルビア)を下して初めて全米オープンを制した。翌年はジョコビッチに敗れ準優勝だったが、2012年は左膝の怪我から大会を欠場していた。2年ぶりに出場した昨年は決勝戦でジョコビッチを下して2度目の栄冠に輝いていた。
ナダルはこれが自身2度目となるグランドスラムでの連覇を諦めた事になる。2008年にウィンブルドンを初めて制した翌年も膝の怪我のために同大会を欠場していた。
ナダルは今季はこれまで44勝8敗の成績で、史上最多となる9度目の全仏オープンの優勝を含め4度の優勝を飾っている。そんな彼は7月1日に行われたウィンブルドン4回戦で、19歳の
N・キリオス(オーストラリア)に敗れて以来コートに立っていない。
ナダルは現在14度のグランドスラム優勝を誇り、それはサンプラスと並んで史上2番目の優勝回数で、史上最多となる17度の優勝を誇るフェデラーの後を追っている。
ナダルの決断から、現在世界ランク1位のジョコビッチに加え、先週の日曜日にシンシナティでのマスターズ1000大会で優勝を飾った過去5度の優勝を持つフェデラーが優勝候補最有力と言われている。
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