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テニスのグランドスラム、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会6日目、男子シングルス3回戦が行われ、第17シードの錦織圭(日本)が第12シードのM・チリッチ(クロアチア)に3-6, 4-6, 7-6 (7-3), 3-6で敗退、3回戦突破とはならなかった。
試合前に錦織は「長くならないように頑張りたい。」と語っていたが、試合は2セットダウンに追い込まれ、1セット奪い返すも大逆転劇を演出することは出来なかった。
錦織とチリッチはこれまで3度の対戦があり、錦織が2勝1敗と勝ち越していた。記憶に新しいのが2010年の今大会2回戦。その時は5-7, 7-6 (8-6), 3-6, 7-6 (7-3), 6-1のフルセットで錦織が勝利していた。また、2008年には当時世界ランク4位だったD・フェレール(スペイン)を6-4, 6-4, 3-6, 2-6, 7-5で下し、ベスト16へ進出していた。
対するチリッチは23歳、198cmの長身選手。チリッチのコーチは松岡修造(日本)の元コーチであるボブ・ブレッド。
35度以上の炎天下で、錦織の応援に駆け付けた日本人の観客が多い中、試合が始まった。第1セットの第2ゲーム、1ポイント目からダブルフォルトを犯してしまう錦織。その後、チリッチのリターンがネットインするなど、0-40と3本のブレークチャンスを与えてしまう。ここからデュースに戻すも、結果ブレークを許しゲームカウント0-2と序盤からリードされる展開。
以降サービスキープを続け、第7ゲームで錦織にブレークバックのチャンスが訪れるも、これを生かす事が出来ず、ゲームカウント3-5。続く第8ゲーム、第9ゲームは共にサービスキープ、チリッチが第1セットを43分で先取する。
第2セットに入ってからもコート上の気温は下がらず、錦織はベンチに座るたびに氷を首に当てるなど、暑さをしのぐ状況が続いた。
このセットは互いにサービスキープを続けるも、第9ゲーム、錦織のサービスゲームで試合が動く。錦織は果敢にネットへ詰めるもチリッチの放ったバックハンドのショットがネットイン、さらにダブルフォルトを犯すなどで、第1セットの第1ゲーム同様0-40と3本のブレークポイントを握られてしまう。このピンチを乗り越える事が出来なかった錦織は、ゲームカウント4-5とし、第10ゲームはチリッチがラブゲームでサービスキープ。錦織は2セットダウンの状況に追い込まれてしまう。
錦織はグランドスラムの舞台で、2セットダウンからの逆転勝ちを2度していた。最初は2010年の全仏オープン1回戦、S・ヒラルド(コロンビア)に2-6, 4-6, 7-6(7-3), 6-2, 6-4の3時間36分。2度目は今年の全豪オープン2回戦、M・エブデン(オーストラリア)から3-6, 1-6, 6-4, 6-1, 6-1の3時間1分。
大逆転勝ちを願う観客からは、あとがなくなった錦織へ「ニシコリ!ニシコリ!」と応援。
しかし、錦織は第3セットの第3ゲームで早くもピンチを迎える。そのゲームで0-40とブレークポイントを握られ、錦織の逆をつくショットを放ったチリッチがブレークし、ゲームカウント1-2とリードを許す。
しかし、第4ゲームの1ポイント目で錦織は、チリッチの放ったセカンドサーブをリターンダッシュし、プレッシャーをかける作戦に出る。結果ポイントは奪われたものの、攻めの姿勢を見せた錦織が、その後3ポイントを連取し15-40と2本のブレークチャンスを握る。そのポイントで錦織はフォアハンドのリターンエースでブレークバックに成功し、ゲームカウント2-2とする。
その後両者サービスキープを続け、第3セットはタイブレークへ突入する。タイブレークでは互いにポイントを奪い合い3-2と錦織がリード。ここから2ポイントを連取した錦織が5-2とリードを広げる。その後、チリッチに1ポイント奪われ5-3となるも、続くポイントで錦織が回り込んだ豪快なフォアハンドのショットがウィナーとなり、6-3とセットポイントを握る。このポイントでチリッチのバックハンドがうアウト、錦織が第3セットを7-3で奪い、セットカウント1-2。
第4セットに入り、試合の流れを自分に傾けたい錦織に対し、タイブレークを落としても弱気にならなかったチリッチが攻めのテニスで錦織に襲い掛かる。第4ゲーム、15-40と2本のブレークチャンスを掴んだチリッチがこれをものにする。
1ブレークを許し、ゲームカウント2-5とリードされた錦織は、このゲームで30-40とチリッチにマッチポイントを握られる。そこからファーストサーブで押し切った錦織はサービスキープするも、続く第9ゲームをチリッチにサービスキープされ、3時間33分で試合に終止符が打たれた。
試合を通して錦織は、9本あったブレークチャンスを1本しかものに出来ず、ダブルフォルトの数は8本だった。
試合後、錦織は「今日負けてしまったが、調子は良かったですしプレー自体は悪くないと思うので、もっと上にあがりたかった。現状を見つめ直して、これからも頑張りたいと思います。」と、コメント。
今大会4年ぶりのベスト16とはならなかった錦織は、9月14日から東京の有明コロシアムで行われるデビスカップに出場する予定。
勝利した世界ランク13位のチリッチは4回戦で、第32シードのJ・シャーディ(フランス)に6-4, 6-4, 6-4で勝利したM・クリザン(スロバキア)と対戦する。
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