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テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、クレー)は大会14日目の9日、女子シングルス決勝が行われ、第2シードのM・シャラポワ(ロシア)が第21シードのS・エラーニ(イタリア)に6-3, 6-2のストレートで勝利、キャリア通算4勝目となるグランドスラムタイトルを獲得する共に、生涯グランドスラムを達成した。
今大会では過去に2度のベスト4進出がありながらも、今回が初めての決勝進出だったシャラポワは「この舞台にたどり着くまでは長い旅路でした。感謝したい人たちはたくさんいますが、一緒に頑張ってくれたチームのみんなに感謝しています。」と、シャラポワは感謝の言葉を述べている。
この決勝の勝敗に関わらず、4年ぶりに世界ランク1位に返り咲くことが約束されているシャラポワは、試合開始から4ゲームを連取してエラーニを突き放す。
今大会で初めてのメジャー決勝進出となったエラーニは、自分が得意とするラリー戦に持ち込もうとするが、常にシャラポワに先手を握られる展開を変えることはできなかった。
「彼女のサービスゲームで、彼女は2、3球でポイントを決めていました。」とエラーニ。「難しかったです。やりたいような長いポイントが出来ませんでした。」
3本目のマッチポイントでエラーニが仕掛けたドロップショットがネットにかかった瞬間、喜びのあまりコートに膝から崩れたシャラポワは、その状態で大きく両手を広げて喜びを表した。
肩の手術を受け、3年前には世界ランク126位まで落ち込んでいたシャラポワは、クレーコートでのプレー向上に取り組み続け、今年のレッドクレーでは16勝0敗という戦績で全仏オープンでタイトルを獲得するまでになった。
「必要でないと言えるようなものは、多くを手放してきました。」とシャラポワ。「お金も、名声も、グランドスラムのタイトルも手に入れたと言えたでしょう。しかし、それらよりも競技を愛することの方が大きければ、立ち上がり続ける時です。」
これまでに2004年のウィンブルドン、2006年のUSオープン、そして2008年の全豪オープンでタイトルを獲得しているシャラポワは、今年の全仏オープンで優勝したことにより、女子テニスで史上10人目となる生涯グランドスラムを達成したことになり、C・エバート(アメリカ)、M・ナブラチロワ(アメリカ)、S・ウィリアムズ(アメリカ)、B・ジーン・キング(アメリカ)らとともに歴史に名を刻んだ。
キャリア通算27勝目となったシャラポワは、月曜日に発表される世界ランキングで2008年6月以来となる世界ランク1位になることも決まっている。
2004年の全仏オープンで初めてグランドスラムでのベスト8入りを果たしていたシャラポワは、その活躍によってテニス界に知られるようになったが、同年のウィンブルドンで優勝したことにより、世界中が彼女を知ることとなった。
「ウィンブルドンで優勝した17歳の時が、自分のキャリアで一番の宝物だと思っていました。」と25歳のシャラポワ。「だけど、今日の試合でコートに膝をついたとき、今回の優勝はそれよりも特別なものだと気が付きました。」
選手生命の危機とまで言われた怪我から復活するだけでなく、さらなる進化を遂げてタイトルを獲得したシャラポワ。
「長い道のりでした。とても若い頃からテニスを始めて、まだ終わっていません。ここに座っているのは、やり切ったと言うためではありません。まだまだ先は長いですし、もっと達成したいことがあります。」
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