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テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、賞金総額1752万ユーロ、クレー)は大会14日目の4日、女子シングルス決勝が行われ、第6シードのN・リー(中国)が第5シードのF・スキアボーネ(イタリア)を6-4, 7-6 (7-0)で破り、自身初となるグランドスラムタイトルと優勝賞金120万ユーロを手に入れた。
今大会でリーは、4回戦でP・クヴィトバ(チェコ共和国)、準々決勝でV・アザレンカ(ベラルーシ)、そして準決勝ではM・シャラポワ(ロシア)という強敵を打ち破り、全豪オープンに続いて2大会連続となるメジャー決勝進出を果たしていた。
昨年の3回戦でリーとスキアボーネが対戦したときは、スキアボーネがストレートで勝利していたが、この日はリーのグラウンドストロークが冴え渡り、第1セット第5ゲームでリーが最初のブレークに成功すると、そのリードを生かして39分でセットを先取する。
勢いに乗るリーは、第2セットのオープニングゲームでブレークに成功すると、2-0、3-1、4-2と優位のまま試合を展開していく。しかし、ここからディフェンディング・チャンピオンであるスキアボーネが3ゲームを連取すると、ゲームカウント5-4と逆にリードを奪う。
試合はそのまま両者ともに決定的なリードを奪うことなくタイブレークに突入、タイブレークでは積極的なストロークとスキアボーネのミスでリーが一気に7ポイントを連取、1時間48分でメジャー初優勝を決めた。
マッチポイントではスキアボーネのバックハンドがアウト、優勝が決まった瞬間、リーはコートに背中から倒れこみ喜びを爆発させた。
「フランチェスカはトップスピンやスライスが上手なクレーコートプレイヤーですから、自分のプレーに集中して彼女を走らせるようにしました。」とリー。「彼女はトップ選手ですから、何が起きるか分かりません。彼女が追いついてきて、タイブレークに入ったとき、自分のチャンスだと言い聞かせました。」
さらにリーは「この大会の前、私はクレーコートで良いプレーが出来ないと言われていました。今では、彼らも意見を変えてくれると思います。」と、ジョークを交えて喜びを語っている。
これまでに中国勢からは、スン・ティエンティエン(中国)、ヤン・ツー(中国)、そして鄭潔(中国)らがグランドスラムのダブルスでタイトルを獲得しているが、シングルスでは男女を通じてアジア初の快挙となる。また、この優勝により、来週発表される世界ランキングでリーはクルム伊達公子(日本)の持つアジア記録である4位に並ぶこととなる。
また29歳のリーは、史上5番目に年長での初のグランドスラム優勝を果たしたことになる。また両者併せて60歳と79日のリーとスキアボーネのグランドスラム決勝は、史上5番目の年長者同士の対戦となった。
1990年のウィンブルドンでのM・ナブラチロワ(アメリカ)以来となる、30代でのメジャー優勝に届かなかったスキアボーネは「今日は本当にタフでしたが、彼女におめでとうと言わなくてはなりません。彼女は今シーズン、本当に成長しましたし、今日も本当に良いプレーでした。彼女には、この素晴らしい瞬間を楽しんで欲しいです。自分にもチャンスはありましたし、第2セットでは良いプレーも出来ました。しかし、彼女は本当に優勝にふさわしいプレーでした。」と、チャンピオンを称えた。
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