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男子テニスツアーのマスターズ大会であるムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、賞金総額370万6000ユーロ、クレー)は8日、シングルス決勝が行われ、第2シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第1シードのR・ナダル(スペイン)に7-5, 6-4のストレートで勝利、今季6勝目となるタイトルと優勝賞金59万ユーロを手に入れた。
今季開幕から連勝を続けているジョコビッチは、初めてナダルからクレーコートで勝利を挙げるとともに、ナダルのクレーコートでの連勝を37でストップした。またジョコビッチは今季、ツアー決勝ですでに3度もナダルと対戦しているが、その全てで勝利している。
この日の勝利でジョコビッチは、1980年にB・ボルグ(スウェーデン)が記録した開幕31連勝の記録を抜くことになる32連勝目を記録した。これはオープン化以降で歴代2位となる記録で、残るはJ・マッケンロー(アメリカ)が1984年に達成した開幕42連勝のみとなっている。
地元の声援を受けるナダルを、クレーコートで破ったジョコビッチは「多分、正しいプレーだったと思います。あの状況の中で、信じられない試合をする事が出来ました。今日は、勝てると信じながらコートに入りました。アグレッシブになる必要がありましたし、素晴らしい試合でした。」と試合を振り返った。
またジョコビッチは、昨年末のデビスカップ決勝から数えると34連勝となる。これは歴代8位の連勝記録となっている。
一方、地元での大会連覇を阻まれたナダルは「今日は素晴らしい選手と対戦したことは間違いありません。彼の方が優れていました。このことは受け入れなくてはいけません。」と、素直に敗戦を受け入れるしかなかった。
ナダルがクレーコートで敗戦を喫したのは、2009年の全仏オープン4回戦以来で、およそ2年ぶりとなる。それ以降のナダルは、クレーコートでは6大会でタイトルを獲得していた。また、ナダルがクレーコートで敗れるのは、2005年以降ではこれで7度目のこととなった。
過去数年はナダル、R・フェデラー(スイス)に次ぐ3位として過ごすことが多かったジョコビッチであるが、今季は全豪オープンでタイトルを獲得すると、振り返ることなくタイトルを積み上げてきている。
「必要な時にベストなプレーが出来たことに満足しています。これが、これまでに足りなかったことでしょう。もしかしたら、過去の大会でナダルやフェデラーに対して足りなかったことかも知れません。」とジョコビッチは自らの変化についてコメントしている。
この日の試合で、まず勢いに乗ったのはジョコビッチ。いきなり2度のブレークに成功すると、ゲームカウント4-0と大量リードをナダルから奪う。
「最悪のスタートでした。」とナダル。「もっとフォアハンドで積極的になる必要がありました。」
ジョコビッチにリードを奪われたナダルであったが、ここからブレークバックに成功し、試合を振り出しに戻した。しかし、第12ゲームでジョコビッチがこのセット3度目のブレークに成功、ナダルからセットを先取する。
ジョコビッチのサーブで始まった第2セット、地元の声援を受けるナダルが股抜きショットなどでブレークに成功する。しかし、対するジョコビッチもすぐさまブレークバックに成功し、試合はこう着状態となる。
「全てのポイントで平均10~15本のラリーがありました。ポイントを取るために必死でした。」とジョコビッチ。
試合を通してバックハンドのクロスでナダルを苦しめたジョコビッチは、このショットで3本のマッチポイントのチャンスを迎えると、2本目でナダルのバックハンドスライスがワイドに切れゲームセット、2時間17分で勝利となった。
昨年6月から世界ランク1位の座を守り続けるナダルは、もしジョコビッチが好調なままプレーを続ければ、その座も危ういと認識しているようだ。
「世界ランク1位の座は安全とはもう言えません。事実を見つめるべきです。」とナダル。「誰も負けるのは好きではありません。何が足りなかったのか探し、落ち着いて、解決策を見つけたいと思います。次回は、もう少し良いプレーが出来ればと思います。」
対するジョコビッチは、次第に高まってくる期待、特に全仏オープンに関する期待を抑えるように努めているようだ。
「もしナンバー1になりたければ、ナダルやフェデラーのように、コンスタントに良いプレーをしなくてはなりません。」とジョコビッチ。「今の連勝や時期的なものだと思いますが、キャリアで最高のテニスをしています。全仏オープンでは優勝候補になれると思います。」
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