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スイスはローザンヌにあるスポーツ調停裁判所(CAS)は木曜日、世界反ドーピング機構(WADA)と国際テニス連盟(ITF)が、R・ガスケ(フランス)に課した2年間の出場停止処分を解除することを正式に決めた。ガスケは3月に行われた検査で、コカイン陽性反応が出ていた。
当時、マイアミでの大会を肩の怪我を理由に棄権したガスケは、数時間後に出かけたナイトクラブで、その時知り合った女性とキスを交わしたことで彼の体内に微量のコカインが入ってしまったとする主張を受け入れての判断だった。
「本当に一安心です。これでクレージーな話しの終わりなのです。自分は100%潔白となり、大変嬉しく思います。」と、ガスケはその喜びを語っていた。
CASからのコメントでは「最大の注意を払ったにしても、偶然知り合った女性とのキスで、コカインが体内から検出される可能性があることを知ることは、選手にとって不可能なこと。」と、出場禁止処分の解除決定の理由としていた。
この判決に関わった3人の弁護士は、「彼の体内から検出されたコカインの量があまりに微量だったことを考えても、彼がコカインを常用していた可能性はない。」と、検出されたコカインの量がこの決定の最大の要因であったことを説明していた。
ガスケのコーチであるエリック・デブリッカー氏は、「この決定は、ガスケはもとより彼の関係者に、本当に大きな安堵を与えるものとなった。今は彼がコートで楽しそうにプレーしている姿が見られることが一番大切なこと。」と、ここ数週間はガスケにとって、とても辛い時期だったことを振り返り喜びに浸っていた。
加えてデブリッカー氏は、年明けにガスケがブリスベン国際とシドニー国際に全豪オープンへの準備として出場することも明らかにしていた。
WADA事務総長のデビッド・ハウマン氏は「WADAはその証拠が全く正当なものと受け止め、厳密な調査の結果だと認識している。WADAはCASの決まりに従っており、現時点でこれ以上のコメントはない。」とした声明を出していた。
23歳のガスケは、7月にITFが独自に持つ判決機関から処分を解除されるまで、2ヶ月半試合への出場は禁止されていたが、CASはこの処分をガスケのドーピング違反には数えないと言う。ドーピング違反を2度犯したアスリートは、そのスポーツから生涯出場禁止となることが決められている。
WADAとITFはCASに訴えを起こしていた。なぜなら選手はその体から検出された物質に関しての責任があるとするWADAの厳しい決まりを、ガスケ自身も守らなければならなかったからである。
ガスケ自身は身の潔白を訴えて、11月10日に7時間以上に渡って証拠を提示するなどの証言をCASの裁判官へ行っていた。裁判官は、彼はITFの反ドーピング・プログラムの意味を何も犯してはいないとの判断を下した。
ガスケはこれで年初の全豪オープンへ向けて全力で準備を行うことができる。今季はこの問題で、全仏オープンとウィンブルドンは出場できず、その後最初に出場した大会がUSオープンだったが、1回戦で第1シードのR・ナダル(スペイン)にストレートで敗れていた。
出場停止処分を受けた4月には世界ランクが23位だったが、現在は52位へと落ち込んでいる。
ガスケは、2007年7月にウィンブルドンでR・フェデラー(スイス)に敗れはしたもののベスト4入りを果たし、その直後に自己最高位の7位を記録した。これまでの生涯獲得賞金が420万ドル(約3億8100万円)に上る。
「自分の過去最高位は世界ランク7位。来年はトップ10への返り咲きを果たしたい。」とガスケは、2010年の目標を掲げていた。
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