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63勝4敗、四大大会2勝を含む10ツアー・タイトル。この圧倒的な数字が示すように、2007年の女子テニスは、女王J・エナン(ベルギー)の独壇場だったと言っても過言ではない。
今年、2年連続3回目の年間ランキング1位に輝いたエナンだが、年初は全豪オープンを個人的理由で欠場し、後にその理由がピエール=イヴ・アルデンヌ氏との離婚を明らかにするなど、苦難の幕開けを迎えた。
初戦こそL・サファロバ(チェコ共和国)に敗れてベスト4に終わったが、その後は参加した14大会全てでベスト4以上に勝ち上がり、勝率9割4分という驚異的な数字を残した。黒星を喫した選手は、サファロバ(パリ準決勝)、S・ウィリアムズ(アメリカ)(マイアミ決勝)、S・クズネツォワ(ロシア)(ベルリン準決勝)、M・バルトリ(フランス)(ウィンブルドン準決勝)の4人のみ。クレー、ハード、芝、カーペットの各サーフェスで1敗ずつしか喫していないということになる。
今年初めてのグランドスラム大会となった全仏オープンでは、セリーナ・ウィリアムズや、J・ヤンコビッチ(セルビア)とA・イバノビッチ(セルビア)らセルビア勢を退けて3連覇を達成。4度目のローランギャロスの栄冠を手にした。幼いときに今は亡き母親と観戦に訪れた思い出の大会を前に、7年間も絶縁状態になっていた父親との関係を今年初めの離婚を機に修復、、再び家族との和解を決心し、今回初めてファミリー・ボックスに家族を呼んだ。「家族の愛はとても大事。短い人生、楽しく生きないといけない。お母さん、ありがとう。」と話している。
その後、生涯グランドスラムがかかるウィンブルドンでは、2年連続の決勝進出を目指したが、準決勝でまさかの敗退。しかし、これが2007年最後の敗北となっている。またUSオープンでは、元覇者のS&V・ウィリアムズ(アメリカ)姉妹を倒して、4年ぶりの2度目の優勝。このときエナンは「本当に素晴らしい。おそらく最も大切な優勝の1つになるかもしれない。」と語っている。
そして、年間10勝目がかかったツアー最終戦ソニー・エリクソン・チャンピオンシップスでは、決勝のシャラポワ戦で1セット落としたのみで、2年連続の優勝。今年引退した同胞のK・クレイステルス(ベルギー)が2002~03年に連覇して以来の連覇を達成した。
このキャリア通算39勝目により、2003年に記録した年間8勝を上回る年間10勝となり、1997年に12勝したM・ヒンギス(スイス)以来の年間優勝数2桁に達した。まだ新記録があり、今季通算の獲得賞金は約540万ドル(約6億円)に達し、女子で史上初の500万ドル(約5億5500万円)突破となった。
エナンは1年を振り返り、「不可能なことは何もなく、今年は再びそれを証明することができた。1月に起こったこと、そして2月のパリの大会で復帰したときは、最初からテニスをやり直したような感じだった。たくさんの感情が渦巻いていた。何かと難しい1年だったわ。でも私は以前と変わらずポジティブだし、たくさん成長した。多くのことが私の人生に起こり、その結果、これまで以上にテニスへの情熱が生まれた。これまでのテニス人生で最高の年だったと断言できるわ。たとえとても難しい1年だったとしてもね。」とコメント。
素晴らしい成績を残した1年となったが、ただこれまでと同じテニスをしていただけではなく、強靭な精神力、クレーコートで発揮されるフットワークは言うまでも無く、サーブ&ボレーを積極的に取り入れるなど、攻撃的なプレーにも磨きをかけた。このように、長年師事しているコーチのカルロス・ロドリゲス氏との取り組みも存分に功を奏しているようだ。
現在はウィンブルドン後から続く25連勝中。来季はシーズン序盤からスタートダッシュをかけていくであろう女王の快進撃に期待したい。
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