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マッチポイントでバックハンドを鮮やかに決め、フェデラーが3度目の栄冠を獲得した。ナダル(スペイン)らの強豪をけ散らして決勝に駆け上がったゴンサレスをストレートで退けた。世界王者は、その資質が必要とされる場面で真の実力を見せつけた。
第1セット、ゴンサレスが5-4として40-15。セットポイントだ。ここからフェデラーが真骨頂を発揮した。バックのラリーから素早くネットに進み、ボレーを突き刺した。次はゴンサレスがフォアをミス。ジュースに持ち込むと、2ポイントを連取して苦境を脱した。流れを手放さず、勝利へ突き進んだ。
セットポイントまで、ゴンサレスのバックの緩い球にペースをつかめなかった。しかし、勝負どころでちゅうちょせずに攻め切った。「マッチポイントじゃない。ただのセットポイントだったから」とピンチに動じない経験の豊かさがあった。
全豪では1971年のローズウォール(オーストラリア)以来の失セット0で頂点に立ち、これで史上5位の4大大会10勝目。上回るのはグランドスラム2度達成のレーバー(オーストラリア)らしかいない。
歴史上の大選手の領域に踏み込んだ現代の名手は「最高の気分。失セット0は長い間達成されなかった記録だから狙っていた」と話すと「4大大会4連勝を考えている。全仏は、いいプレーをして勝ちたい。そうなれば夢が実現する」。4大大会で唯一タイトルのない全仏制覇へ夢をはせた。(共同)(了)
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