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(イギリス、ウィンブルドン)
ウィンブルドン11日目、男子シングルス準決勝が行われ、まずその第1試合トップシードのR・フェデラー(スイス)がノーシードから勝ち上がってきたダブルスの名手J・ビョークマン(スウェーデン)と対戦した。34歳のベテランで、これが9年ぶり自己2回目のグランドスラム準決勝進出のビョークマンに対し、フェデラーは全く隙のない完璧なプレーで、6-2, 6-0, 6-2で圧勝、わずか1時間17分の試合だった。
試合前の投票では200対1でフェデラーが有利との結果が出ていたが、実際に試合が始まると力の差は歴然としていた。
フェデラーは今大会これまで1セットも落としておらず、またサービスブレークも2度しか許していない。今日の試合では、相手にブレークチャンスすら与えず、途中11ゲーム連取もするという一方的な展開だった。
「自分でも今日のプレーは完璧だったと思う。接戦だとそういうこともないけど、今日のように、特にグランドスラムの準決勝で完全に相手を支配してプレーができるなんて、最高の気分だね。」と、フェデラーも会心の笑みを見せた。
一方敗れたビョークマンは、「会場内の一番いい席で完璧なプレーヤーの試合を見ることができた。」と冗談交じりに、フェデラーのすごさを讃えていた。「試合後に『ロジャー、今日は一体どんな調子だったんだ』と聞いたら、今日はボールがボーリングボールかバスケットボールのように大きく見えたと答えたんだ。それだけ今日の彼は調子が良かったということで、調子の悪いときの彼に負けたわけじゃなかったから、僕もほっとしたよ。」
以前はP・サンプラス(アメリカ)とも対戦をしているビョークマンは、フェデラーはさらに上を行く選手だと評価する。
「サンプラスのことは史上最高のプレーヤーだとずっと思っていたけど、彼にはところどころ穴があった。それに対しフェデラーはまったく付け入る隙を見せない。しかも猫のように軽快だったS・エドバーグ(スウェーデン)よりも早い。あまり動いてないように見えるかもしれないけど、必ずボールについてくるからね。」と、手放しで絶賛していた。
これでフェデラーの芝での連勝は47となった。日曜日の決勝に勝てば、連勝を48に伸ばすだけではなく、ウィンブルドンでB・ボルグ(スウェーデン)の5連覇(1976~1980)、P・サンプラスの4連覇(1997~2000)に並ぶ快挙の達成となる。
決勝では、この日の第2試合で勝ったR・ナダル(スペイン)との一騎打ちとなる。遂にフェデラーは、芝という自分が最も得意とするサーフェスで、宿敵を迎え撃つことになった。
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