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ボレー編

Vol.7 ミスを減らすための練習法 ボレー編 上巻

当たり損ねのミスを減らす

ボレーでは当たり損ねが多くなりやすい

ボレーのミスについて、まず特徴的なのは他のショットよりも当たり損ねのミスが全般的に多いということだ。相手も何とかミスさせようと厳しいボールを打ってくるため、芯を多少外れるのはしかたない。ただし、それほど厳しいボールでなくても当たり損ねのミスが出やすいというのは問題があり、ここではその原因と解決法について解説しよう。

アマチュアでまず多いのは、下のイラストのように顔(目線)が傾いているというケースだ。これでは正確にボールを見ることができないので、修正しなければならない。

よくある原因のもうひとつは、足をあまり使わず、手だけで合わせようとしているケースだ(イラスト参照)。ボレーにかぎらず、足をこまめに動かしたほうが正確にボールに合わせやすいので、それを習慣づけることが大切になる。それには、下図のようなミス抜けの練習がお勧めだ。その中で、足がサボるとミスにつながりやすいことを学んでいこう。

また、ただ当てにいくだけでスウィングがないと、逆に正確に当たりにくくなるという傾向がある(次ページ参照)。ボレーのスウィングが身についていない人は、そうしたミスが多くなるので、下の図のような練習で、基本的なスウィングを身につけていこう。

人間は、目が2つあることによって、対象物との距離感をつかむことができるわけだが、両目を結ぶ線が傾くと、基準が狂ってボールの動きを正確に捉えることがむずかしくなってしまう。これはすべてのショットに共通することだが、ボレーではとくに顔が傾いてしまう人が多く、目線も傾いて、当たり損ねのミスが出やすくなってしまうので注意しよう。

ボレーでは低いボールや遠いボールが多く、体勢が崩れやすい分、顔も傾きやすくなる。実際、試合ではさまざまなボールが来るので、まったく体勢を崩さないというのは不可能だ。だが少なくとも、どんな状況でも(状態が傾いても)頭だけはしっかりと立て、目線の傾きを防ぐことを意識しよう。

足をあまり使わず、手だけでボールに合わせようとするクセがあると、練習ではあまりミスが出なくても、試合ではミスが多くなってしまう。練習での丁寧さが足りないと(あるいは単に練習が足りない人も)、そのようなクセがつきやすいので、練習の段階から意識を変えて、下図の練習に取り組んでいこう。

足をよく動かして当たりを安定させる習慣をつけるための練習法。緩い弾道でも良いのでミスなく長く続けるボレー&ボレーを行ない、ミスしたら待機している人と交代する。できれば、このように4人でコースを変えながら打つほうが良いが、攻撃を意識する必要はない。慣れてミスが出にくくなってきたら、回し方を逆にしたり、間隔を離したり、組分けを変えたりして変化をつけていこう。また、交代で新しく入った人は、打たない間もずっと足踏みしているというルールを追加するのも良い(入ってすぐミスした人は休んでいる間も足踏みとする)。

ボレーのスウィングを覚えるには、いきなりノーバウンドで打つよりも、スライスのミニラリーから始めたほうが良い。意識としては、ボールにアンダースピンをかけながら(回転はあまり多くしない)思った所にイメージ通りの軌道で飛ばすことを目指したい。それができれば、自然にスウィングも洗練されてくるはずだ。また最初は2人ともワンバウンドで良いが、感覚がつかめてきたら片方がボレーで返すようにして、ノーバウンドでも同じ感覚でスウィングできるようにしていこう。

R.フェデラーのスウィングのあるバックボレー
少し遠めのボールだが、手だけを出すのではなく、むしろ足で取りにいっており、目線が傾かないようにつねに頭を立てた状態を保っている点も模範的だ。また、比較的大きなスウィングを行なっているが、振りすぎということはなく、逆に振らない場合よりもボールに合わせやすくなる。基本に忠実なスウィングで安定感のあるバックボレーだ。
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(テニスジャーナル 2004年5月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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