テニスの全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)は28日に男子シングルス決勝が行われ、第4シードの
J・シナー(イタリア)が第3シードの
D・メドベージェフを3-6, 3-6, 6-4, 6-4, 6-3の大逆転で破り、四大大会初優勝を飾った。試合後、シナーは「プレッシャーは特権だと思う」と語った。
>>【動画】22歳シナー 四大大会初V、大逆転で全豪OP優勝決めた瞬間<<>>シナーら全豪オープン組合せ<<22歳で世界ランク4位のシナーが同大会に出場するのは5年連続5度目。最高成績は2022年の8強となっていたが、今大会は好調を維持し、1回戦から準々決勝までセットを落とさず大会初の4強入りを果たすと、準決勝では第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)を6-1, 6-2, 6-7 (6-8), 6-3で破り、四大大会初の決勝に駒を進めた。
決勝戦、開始からメドベージェフの強烈なショットに苦しむと第1セットでは2度のブレークを許し先行される。第2セットでも勢いに乗るメドベージェフに主導権を握られ先に2度のブレークを許す。第7ゲームでこの試合初のブレークに成功したものの、2度目のサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームをキープされ、2セットダウンの崖っぷちに立たされる。
それでもここからシナーの反撃が始まる。第3セット、終盤までサービスキープを続けると迎えた第10ゲームでブレークに成功し1セットを返す。さらに第4セットも終盤の第10ゲームでブレークポイントを握ると、強烈なフォアハンドショットを決めブレークに成功し、土壇場から2セットオールに追いつく。
迎えたファイナルセット、第6ゲームでブレークポイントを握ったシナー。最後は強烈なフォアハンドウィナーを決めブレークに成功する。その後はブレークバックを許さず、3時間44分の熱戦を制した。
試合後の会見でシナーは決勝を振り返った。
「すべてを受け入れるには少し時間がかかるね。今日の自分の対応には非常に満足しているよ。コート上の状況はとてもタフだった」
「最も重要だったのは、この2週間を通しての応援だったと思う。テレビでも多くの人が観てくれていると感じていたから、とにかくベストを尽くすだけだったよ」
また、若くして大きなタイトルを獲得することを期待されてきたことについてプレッシャーを感じてきたか問われたシナーは、プレッシャーは常にあると認めつつ「プレッシャーは特権だと思う」と女子テニスで元世界ランク1位の
B・ジーン・キング(アメリカ)の言葉を口にした。
「プレッシャーは常にあるけど、プレッシャーは良いものだよ。良い意味で受け止めなければならない。特権でしょ?このようなプレッシャーがある選手はそれほど多くないけれど、逆にプレッシャーがあるときは『よし、彼は僕が本当にできると信じている』と思える」
「だから、プレッシャーの嵐の中で踊るのが好きなんだ。どう言えばいいのかわからない。個人的にはプレッシャーが好きなんだよ。プレッシャーは自分の最高のテニスを引き出してくれるからね。いつもコートで楽しもうとしているんだ」
「だから本当に『プレッシャーは特権』だと思う」
一方、敗れたメドベージェフは2021年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)に次ぐ2度目のグランドスラム制覇とはならなかった。
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