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【ブリヂストン】「ブリヂストンさん、36年間ありがとうございました。」

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。

ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。

テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ブリヂストンさん、36年間ありがとうございました。」

ブリヂストンが年内(2020年)をもってテニス事業から撤退することを発表しましたが、私がテニス関係の仕事についたのが1983年でブリヂストンがテニス事業をスタートさせたのが1984年でほぼほぼ同じ時間を共有してきたのと、個人的にもブリヂストンのIさんとダブルスのペアを組んでいたことがあったりと、ラケット、シューズ、ボールをヘビーに使わせていただいたので、思い出を振り返ってみようと思います。



ブリヂストンは創業者の石橋さんの名前を逆さまに英語にしたのは、知っている方も多いと思いますが、創業時は「ブリッヂストンタイヤ」という名称でした。





文字変換の間違いで「ブリジストン」となっていることがありますが、キーボード上では「J I」ではなく「D I」と打ち込んでください。



1984年にテニス事業に参入し、テニスラケットのB9とテニスボールのXT-8が発売されました。翌年に発売したB10/01は福井烈さんが使用し、大ヒットしグッドデザイン賞も受賞しました。

B10/01、B10/02、B10/03、B10MID、B10RなどB10シリーズでブリヂストンのテニスラケットはどんどん市場を広げて行き、硬派なテニスプレーヤーから支持される様になっていきました。

厚ラケ全盛の中発売したフラットフレーム設計のRV-1は、薄いフレームでも厚ラケに負けないパワーが出る画期的なラケットでした。

フラットフレームとは、普通のラケットにあるグロメットがはまる凹型の溝がなく、フラットな状態のフレームに全周繋がったバンパーグロメットを装着するもので、溝がないために内側に撓む動きが大きくなり、包み込んでから弾き出す画期的な構造でした。

新しいブランドながら、安易に厚ラケをコピーするのではなく、独創的な発想で勝負できるラケットメーカーになったのです。

アンチ厚ラケの方も多く、ブリヂストンの知名度は上がっていきました。

現役時代の福井さんは、日本ランキング1位を9年間続けた無敵の選手で、引退した後にユーザーイベントなどで大変お世話になりました。

引退して10年くらい経った時に、あまりにも動きが良いので、聞いたことがあります。

中居「今でも現役に復帰したら、日本のトップを取れるんじゃないですか」
福井さん「誰も見たいと思わないでしょう」

きっと自信はあったと思います。

ブリヂストンラケットを使用する選手も増えてきて、橘清孝プロ、小泉幸枝プロ、神尾米プロなどを輩出しました。

橘プロは1987年にデビスカップ代表になっており、長きに渡って活躍される選手でした。

小泉プロは、元日本ランキング4位で、全日本ベテランの40歳以上5連覇、45歳以上5連覇、50歳以上5連覇、55歳以上5連覇、60歳以上2連覇と22連覇を継続中で、それだけでも大変な記録なのですが、22年間、1セットも落としてないのが凄いことです。

もはや、同年代のライバルはナブラチロワぐらいではないでしょうか。

神尾プロは、世界ランキング24位と輝かしい成績を残した選手ですが、同時期に伊達公子さん、沢松奈生子さんが活躍していたので3番手の選手となっていました。怪我などもあり25歳の若さで引退しました。

引退後もブリヂストンと関わりを持ち、メディアの仕事や後進の育成に努めています。

大御所の田村伸也さんにも大変お世話になりました。

教え魔と言う言葉がよく似合う方で、いつもいつも熱いレッスンをしてくださいまして、終了時間が過ぎても話が終わらないのは日常茶飯事でした。

こんな逸話があります、レッスン終了後に飛行機で移動しないといけなかったのですが、その日はいつも以上に熱くなってしまい、結局、飛行機に間に合わなくなってしまったというのです。

それくらい熱いレッスンをされていたということです。
フラットフレーム設定の続編として、RZプロ、RZ、ZD-V、ZD-R、RV110R、RV100Tなどが発売され、自分も大好きだったBX、BXプロと続き、1994年に発売したプロビームはブリヂストン史上一番記憶に残るラケットとして今でも語り継がれています。

スロートに1本横バーを入れ、I型断面構造を採用し、電車の線路の様なH型にする事で、ねじれに対して非常に強い構造になり、ボールヒット時のブレを極限まで抑えることに成功しました。

伝説となったプロビームの魂を受け継いで2005年に発売されたXブレードは2020年まで続き、XブレードBX、XブレードRZで終焉を迎えます。



2012年に発売された4代目Xブレードに採用されたセプトングリップは画期的なアイデアでした。

通常のラケットのグリップは、、ラケット本体のカーボンの上にウレタンを八角形に成型しエンドキャップで蓋をする様に被せるのですが、セプトングリップは、特殊なゴムとプラスチックでエンドキャップを一体成型し、カーボンの上から差し込みます。

エンドキャップのぐらつきは一切ありません。



「BX」「RZ」と過去にヒットしたラケットのネーミングを持ってきたのはブリヂストンファンへのオマージュだったのかもしれませんね。

36年間、ラケット造りに一貫していたことは、ブームに左右されずに、ユーザー目線の打ちやすいラケットを妥協せずに造っていたことです。
ミーハーなラケットは造らず、硬派な印象があります。

ボールに関しても「XT-8」「ツアープロ」「NX1」はファンが多く、これじゃないと困ると思っている方も多いと思います。



XT-8の思い出は、やはり「毎トー」です。学生の頃からから、夏の大会と言えば毎トーで、毎トーと言えばXT-8でした。

大変レベルが高く、早稲田の学生に当たったり、その後にプロになるジュニアに当たったり、ベテランになって出た大会では1回戦でシード選手に当たったり、負けてる記憶しかありませんが、良い思い出です。

真夏の大会で3セットマッチなので、ファイナルセットで記憶がなくなることもありました。
また、大会使用球のXT-8を持参する草トーがあったりして、テニスバッグに必ず1缶入れていたのが「XT-8」でした。

最後に、記念モデルラケットとして、形状はプロビーム、中身はXブレードBX、デザインは30周年記念で発売したBLACK×GOLDのXブレード310リミテッドで是非発売してください。

絶対買います。

36年間ありがとうございました。

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