男子プロテニス協会のATPは1日に公式サイトで、2017年のライバル関係特集として世界ランク3位の
G・ディミトロフ(ブルガリア)と同7位の
D・ゴファン(ベルギー)を取り上げた。
両者は今シーズンだけで5度対戦し、ディミトロフの4勝1敗。
ディミトロフは、2014年のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)で四大大会初の4強へ進出する活躍を見せたが、2016年に入ると世界ランキングは一時40位まで後退してしまう。
しかし、今シーズンはコーチであるD・ヴァルヴェドゥの指導のもと、2月終了の時点で16勝2敗の好成績でシーズンをスタートさせた。
26歳のディミトロフとゴファンはシーズン序盤に3度対戦。最初は全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)準々決勝で、ディミトロフが6-3, 6-2, 6-4のストレート勝ち。
次は、その2週間後のソフィア・オープン(ブルガリア/ソフィア、インドアハード、ATP250)決勝戦で、地元優勝のプレッシャーからか、やや硬さが見えたディミトロフだったがゴファンを7-5, 6-4で倒して地元で初優勝を果たした。マッチポイントを決めた瞬間、ディミトロフの目からは涙が溢れていた。
しかし、両者の激突はすぐに訪れた。わずか5日後に、ABNアムロ世界テニス・トーナメント(オランダ/ロッテルダム、室内ハード、ATP500)準々決勝で顔を合わせ、ゴファンが6-4, 1-6, 6-3のフルセットでリベンジし、ディミトロフから初勝利をあげた。
ゴファンはツアーで最も軽い選手の1人だが、体格に恵まれない中でも2016年は世界ランク11位と、トップ10目前でシーズンを終えていた。
そんなゴファンは、今年の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)3回戦でアクシデントに見舞われた。ボールを追いかけてコート端のシートに引っ掛かり右足首を捻挫。その後のウィンブルドンも欠場となった。
7月に復帰したゴファンは、バックハンドを軸として攻撃的なプレーを展開すると同時にサービスの強化にも成功すると、秋のアジア・シーズンで結果につながった。シンセン・オープン(中国/深セン、ハード、ATP250)に続き楽天ジャパン・オープン(東京、ハード、ATP500)と2週連続の優勝を飾った。
その間、ディミトロフも8月にはウェスタン&サザン・オープン(アメリカ/シンシナティ、ハード、ATP1000)でマスターズ大会初優勝を飾るなど、両者はNitto ATPファイナルズ(イギリス/ロンドン、室内ハード)出場の切符を手にする。
Nitto ATPファイナルズの予選ラウンドロビンで同グループとなった2人は、初戦を勝利する好スタートを見せた。
ディミトロフは
D・ティーム(オーストリア)を6-3, 5-7, 7-5で下した。一方のゴファンは、世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)から7-6 (7-5), 6-7 (4-7), 6-4のフルセットで勝利。
その後、両者は予選ラウンドロビンで顔を合わせたが、今季唯一となる一方的な展開となった。ディミトロフはゴファンを6-0, 6-2とわずか74分で一蹴すると同時に準決勝進出を決めた。
ゴファンは続く試合で、準決勝進出をかけてティームと対戦し勝利すると準決勝へ駒を進めた。
迎えた準決勝でゴファンは、これまで6戦全敗だった
R・フェデラー(スイス)に2-6, 6-3, 6-4の逆転で勝利し、同一大会でナダルとフェデラーの2人を倒した6人目の選手となった。
ディミトロフも準決勝で
J・ソック(アメリカ)を4-6, 6-0, 6-3の逆転で退け、今季5度目となるゴファンとの決勝戦へ進出した。
決勝戦ではディミトロフがゴファンを7-5, 4-6, 6-3のフルセットで下すと、キャリア最高のタイトルを獲得。初出場で優勝を飾ったのは、1998年の
A・コレッジャ(スペイン)以来となった。
この大会の成績によりディミトロフは世界ランク3位、ゴファンも7位と自己最高位を更新してシーズンを終えた。
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