今回紹介するマリア・キリレンコは2005年10月27日現在、世界ランキング自己最高のシングルス27位、ダブルス29位と、成長著しいロシア出身の若手選手です。そのプレースタイルは、サーブよし、ストロークよし、ボレーよしのオールラウンダーです。今年のAIGオープンではシングルスベスト4、ダブルス優勝と日本のテニスファンにもその存在を印象付けました。今回はキリレンコ選手の生い立ちから、プロになるまでの道程を辿ります。
1987年1月25日生まれ。ロシアのモスクワ郊外のユビレーイヌイという町で産声を上げました。幼い頃からスポーツが好きだったキリレンコがテニスを始めたのは、7歳の時に父親がモスクワにあるディナーモ・スタジアムのテニススクールに連れて行ったことがきっかけでした。
父ユーリ、母オルガはキリレンコの学校が終わると、車でモスクワのテニススクールに送り迎えし、キリレンコの練習をサポートしました。その後、メキメキと実力を付けたキリレンコは、テニスを始めて1年でクラスの中で1番になり、多くの大会で結果を残し始めます。しかし、当時のロシアでは、コートで個人レッスンをするのが難しい状態でした。そんな中、12歳の時にエレーナ・ブリュホウェツとめぐり合います。
現在キリレンコのコーチを務めるブリュホウェツは一目でその才能を見抜き、1年後にコーチを引き受けることを決心したそうです。その後3年間でジュニアのトップを目指すプログラムを組み、15歳の時には見事15歳未満のランキングで1位、18歳未満でも2位になり、着実にプロへの道を歩んでいきました。
そして、ロシア男子テニス選手のE・カフェルニコフやM・ミルニからもサポートを受け、キリレンコは2002年、USオープンジュニアで優勝し一躍有名になると、この後シニアツアーへの参戦を目指すことになります。
2002年に当時のトヨタプリンセスカップで予選に参加しWTAツアーデビューを飾り、その後ランキングも順調に上げ、2004年にはマリア・シャラポワと組んで出場したバーミンガムの大会で、ダブルス初優勝。しかし、肩の怪我の為に、この年の後半を棒に振ってしまいますが、今季に入って好調さを取り戻し、9月の北京オープンでツアーシングルス初優勝。
ツアー参戦中は読書をしてリラックスするというキリレンコの趣味は、クラシック音楽鑑賞。ビバルディ、モーツァルト、バッハ、ベートーベンなどの音楽を嗜むそうです。また、サッカーや釣り、テレビゲームも好きで、ツアーの合間には、シャラポワとサッカーをすることもあるそうです。
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