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全豪オープン2009特集

9/19~9/25

チャイナ・オープン女子 (China Open)

WTA Tier2 中国、北京

『キリレンコ、ツアー初優勝!』

マリア・キリレンコ
ツアー初優勝を決めた、ロシアの若手キリレンコ
画像提供:Getty/AFLO

ポスト・シャラポワの一角、M・キリレンコ(ロシア)が自身2度目のツアー決勝となったTier2のチャイナ・オープン決勝で、いきなり初タイトルを獲得する快挙を達成した。決勝ではA・グローネフェルドに6-3, 6-4のストレートで勝利した。

「これが初優勝なの。かなり興奮しているわ。今週は最高の1週間になった。毎試合毎試合、一生懸命プレーしたの。今日も勝てて本当に嬉しい。トップシードが大会から去って、優勝のチャンスが見えたの。滅多にないチャンスを活かすことができて、これからの自分にとってもかなりのプラスになったはず。」と、上位選手の棄権や敗退という幸運もあったが、それを活かしきったことで自信を深めていた。18歳のキリレンコは、決勝まで1セットも落とさない勝ち上がりだった。前年度覇者のS・ウィリアムズ(アメリカ)や、世界ランキング1位のM・シャラポワ(ロシア)のいる厳しいドローにもかかわらず、セリーナがまさかの2回戦敗退、シャラポワが胸筋痛により棄権という強運も味方し、決勝もその勢いのままグローネフェルドを一蹴し、2度目の対戦での前回の敗北の雪辱を果たした。この優勝でランキングも45位から一気に28位へと上昇させ、女子テニス界の中心となりつつあるロシア勢の中でも上位10選手の仲間入りをするに至った。
今年2月のパタヤでのTier4大会で準優勝に終わっていた20歳のグローネフェルドも、今大会では1セットも落とさない勝ち上がりで自身2度目の決勝進出を決め、ツアー初優勝を狙っていた。第2シードで出場予定だったL・ダベンポート(アメリカ)の欠場により、繰上げでシード入りした彼女は2回戦から登場し、杉山 愛(日本)を下し準々決勝へ進み、地元の声援を受けていた伸び盛りのS・ポン(中国)を破り、準決勝では19歳のM・ドマホウスカ(ポーランド)を倒しての決勝進出だった。「今日は勝てなくて残念だけど、今週の勝ちあがりには満足している。準決勝までの3試合では合格点を上げられるプレーができたけど、決勝ではそれができなかった。今シーズンはここまで良いプレーを続けられたけど、これからはもっと高いレベルでのプレーをしていきたい。今日の敗北を糧に次回の対戦では勝てるように練習するわ。」と、先を見据えての発言に向上心が表れていた。これでグローネフェルドもランキングを30位から23位へと大幅に上昇させ、自己最高位を更新した。


スン・ティエンティエン
将来が楽しみなティエンティエン
画像提供:Getty/AFLO

今大会、何と言っても話題をさらったのは、主催者推薦で出場のスン・ティエンティエン(中国)の活躍だ。これまではアテネ五輪ダブルスで金メダルを中国にもたらした事で名を知られていた彼女だが、前年度覇者で第4シードのセリーナから6-2, 7-6(7-4)で勝利を収めたことでシングルスでも勝てることを証明した。これまでツアーに250試合以上も出場していたが、USオープンの1回戦で当時ランキング49位のS・ストザー(オーストラリア)を破ったのがこれまでの最高ランキング選手からの勝利となっており、セリーナからの勝利は思いがけない大金星となった。試合後スンは、「気分は最高。試合を通じて良いプレーができた。」と、満足げだった。一方のセリーナは、ランキング100位以下の選手に敗れたのはこれで2回目だったが、前回は約10年も前の話で、プロデビュー戦以来の最悪の敗戦となってしまった。
今大会には多くの日本人選手が参加していた。まず予選の初戦で佐伯 美穂(日本)が、2回戦で小畑 沙織(日本)、瀬間 友里加が敗退したが、中村藍子は見事本戦進出を決め、1回戦で第8シードのF・ペネッタ(イタリア)にフルセットで勝利し、2回戦でも優勝したキリレ
ンコ相手に接戦を演じてみせた。 また1回戦で杉山 愛と森上 亜希子(日本)が激突し、杉山が先輩の意地を見せ2回戦に駒を進めたものの、2回戦では準優勝のグローネフェルドに完敗した。もう1人の日本人、浅越 しのぶ(日本)は見事ベスト8へ勝ち上がったが、第1シードのシャラポワにストレートで敗れた。
ダブルスではノーシード同士の決勝となった。N・ヤゴステラ=ビベス(スペイン)&M・ベント=カブチ(ベネズエラ)組が鄭潔(中国)&ヤン・ツー組を6-2, 6-4で下し、このペアーでの初優勝を上げた。ヤゴステラ=ビベスはこれが2度目のツアー優勝で、ベント=カブチは4度目となった。鄭&ツー組はこれが前週のバリに続いて今季4度目の決勝進出で、2度目の準優勝となった。

サンフィースト・オープン (Sunfeast Open 2005)

WTA Tier3 インド、コルカタ

『ミスキナ、11ヶ月ぶりのVは単複ダブル優勝。』

アナスタシア・ミスキナ
以前の調子を取り戻しつつあるミスキナ
画像提供:Getty/AFLO

トップシードのA・ミスキナ(ロシア)が第7シードのK・シュプレム(クロアチア)を6-2, 6-2で下し、自身10個目のタイトルを獲得した。

ミスキナにとっては、昨年10月のクレムリン・カップ以来の優勝となったこのタイトルは、今季不調に喘いでいた彼女の復活のきっかけとなりそうだ。「これまで約1年間優勝から遠ざかっていたから、この優勝には特別な思いがあるわ。インドアのシーズンは始まったばかりで、自分の好きなシーズンの始まりでもあるの。だから良い形でスタートが切れた気分よ。年末のランキングではトップ10に入っていたいから、この優勝はその目標達成に向け、良い結果をもたらすものになるはず。」と、復活への感触を掴んでいるようだった。
決勝では出だしから飛ばしたミスキナがいきなり4-0とリードを奪い、第1セットをわずか24分で奪った。続く第2セットは序盤の3-2までブレイク合戦となり、両者譲らない展開となったが、そこからミスの出始めたシュプレムにつけこんだミスキナが一気に試合を決めた。今大会絶好調だったミスキナは、決勝までの4試合で落としたゲーム数はわずか12。決勝でもその好調さを見せつける形となった。 これでシュプレムとの対戦成績を2戦2勝とした。
シュプレムは、これが3度目のツアー決勝進出だったが、今回も初優勝には後一歩で手が届かなかった。これまでの2回の決勝進出はいずれも2003年で、今回は久しぶりの決勝進出だった。シュプレムは「優勝はできなかったけど、それほどがっかりはしてないの。だって久しぶりの決勝進出だったから。今季ここまで良い結果が出せていなかったから、今大会の勝ち上がりでまた自信が戻ってきたわ。これでまたかつてのプレーができるようになれば嬉しいわ。今日の自分のプレーはそこまで悪かった訳じゃない。ミスキナが良すぎただけ。自分から早くポイントを決めに行き過ぎたし、彼女にそう仕向けられてしまったわ。」と、敗れはしたものの、今大会の戦い振りには満足しているようだった。
また今大会予選には波形 純理が出場し、本戦へ勝ち進んだものの、初戦で第3シードのS・ミルザ(インド)に2-6, 2-6と完敗した。その他、不田 涼子(日本)も本選に出場したが初戦突破には至らなかった。第8シードで出場の藤原 里華(日本)は2回戦で敗退した。
ダブルスでも同胞のE・リホフツェーワ(ロシア)と組み、トップシードで出場したミスキナは、決勝でネハ&シーカのウベロイ姉妹を6-1, 6-0と圧倒し、シングルスに続きダブルスでの優勝を上げた。リホフツェーワにとっては24個目のダブルスタイトルで、ミスキナにとっては3個目のタイトルとなった。ウベロイ姉妹は、これが初の決勝進出だった。

スロベニア・オープン (Banka Koper Slovenia Open)

WTA Tier4 スロベニア、ポルトロス

『クーカロバ、2度目のタイトル。』

クララ・クーカロバ
2度目のツアー優勝のクーカロバ
画像提供:Getty/AFLO

23歳のK・クーカロバ(チェコ共和国)は、今年6月のTier3大会の初優勝に続く2度目のツアー優勝を上げた。

クーカロバは決勝で、第6シードで地元出身のK・シュレボトニック(スロベニア)との対戦し、地元観客の大声援を受けるシュレボトニックを6-2, 4-6, 6-3のフルセットで下し初優勝を決めた。これでシュレボトニックとの対戦成績も2勝1敗とした。今季これまで好調なシーズンを送っているクーカロバは、この優勝で今季の成績を30勝16敗に伸ばした。
一方のシュレボトニックは、初戦のH・ナギョーバ(スロバキア)にフルセットの苦戦を強いられたものの、地元の期待を背に、準々決勝では第2シードのA・メディーナ=ガリゲス(スペイン)を、準決勝では元トップ15プレーヤーのE・ダニリドー(ギリシア)を退けての躍進だった。
シュレボトニックはダブルスでも決勝へ進んだが、こちらも涙を呑む結果となった。優勝したのはメディーナ=ガリゲス&R・ビンチ(イタリア)組で、J・コスタニッチ(クロアチア)/シュレボトニック組を6-4, 5-7, 6-2のフルセットで倒し優勝を決めた。メディーナ=ガリゲスは7度目、ビンチは2度目のダブルスタイトルとなった。

デビスカップ(準決勝)

ITF

『スロバキア、クロアチア、初の決勝進出。』

デビスカップ決勝進出をかけた準決勝が行われ、スロバキアがアルゼンチンを4-1で、クロアチアがロシアを3-2で下し、それぞれ初の決勝進出を決めた。

スロバキアはブラティスラバで行われたアルゼンチンとの準決勝、地元の大声援を受けて初の決勝進出を決めた。
まず初日の第1シングルスではK・ベック(スロバキア共和国)がアルゼンチンのエース、G・コリア(アルゼンチン)を7-5, 6-4, 6-4で破るが、続く第2シングルスでD・ナルバンディアン(アルゼンチン)D・フルバティ(スロバキア)を3-6, 7-5, 7-5, 6-3で倒し、初日は1勝1敗のタイで終了。
2日目のダブルスではM・メルティナックと組んだベックがナルバンディアン&M・プエルタ(アルゼンチン)組に7-6(7-5), 7-5, 7-6(7-5)で競り勝ち、勝利まで後1勝と迫った。
3日目のリバースシングルスでは、フルバティがコリアを7-6(7-2), 6-2, 6-3で破り、この時点で先に3勝をあげたスロバキアが決勝進出を決めた。

フルバティは決勝進出を決めたシングルスの勝利のあとに、「こんな最高の環境でプレーしたのは初めてだよ。会場の観客が全員、自分を応援しているんだ。がっかりさせるわけにはいないじゃないか。最後の最後まで良いプレーを続けられたし、チームメートや関係者みんなとこの喜びを分かち合いたいね。これまでのテニス人生で最高の思い出の1つになること間違いなしさ。この雰囲気は一生忘れないよ。」と、その喜びを露にしていた。

最後に行われた消化試合のシングルスに出場したプエルタだったが、K・クチェラ(チェコスロバキア)との試合途中、6-4, 3-6, 1-2のところで手首の負傷によって棄権した。

準決勝のもう一試合、クロアチア対ロシア戦は、クロアチアのスプリトで行われた。
初日の第1シングルスではN・ダビデンコ(ロシア)M・アンチッチ(クロアチア)を7-5, 6-4, 5-7, 6-4で下し、ロシアが幸先の良いスタートを切ったが、続く第2シングルスではクロアチアのエース、I・リュビチッチ(クロアチア)M・ヨージニ(ロシア)を3-6, 6-3, 6-4, 4-6, 6-4のフルセットで退け、1勝1敗のタイに持ち込む。
そして2日目、クロアチア代表アンチッチとリュビチッチが組んだダブルスペアが、ロシア代表I・アンドレエフ(ロシア)&D・ツルスノフ(ロシア)組を6-2, 4-6, 7-6(7-5), 3-6, 6-4で制し勝利へ王手をかけると、最終日のシングルスで、リュビチッチがダビデンコを6-3, 7-6(8-6), 6-4で下し、クロアチアが初の決勝進出を決めた。

決勝は、敵地スロバキアに出向いて行われることについてリュビチッチは、「どのサーフェースを選んでくるか、すごく興味深いね。自分達はクレーをそれほど得意としてはいないけど、彼らにとっても得意とは言えないサーフェースだからね。」と、すでにスロバキアとの決勝戦が始まっているかのように語っていた。

あの選手が、再びコートに?!?!

ゴラン・イバニセビッチ
現在はシニアツアーに出場している
画像提供:Getty/AFLO

先週行われた男子の国別対抗戦、デビスカップの準決勝で勝利し、初めての決勝進出を決めたクロアチアなんだけど、チームを率いる監督のN・ピリチ氏が決勝進出を決めてからびっくり発言をしたの!もしかしたら決勝戦の舞台にかつてのクロアチアの英雄、G・イバニセビッチを出場させる可能性があるってほのめかしたの。
「今ここで初めて明かします。決勝戦へ向けての選手選考に、1回限りの試合を行おうと思っているのです。イバニセビッチとS・ツクサールとで争うものです。ミュンヘンにある私のテニス・アカデミーで行う予定ですが、非常に早いサーフェースなのでイバニセビッチに有利かと私は想像します。」だって!!!
すでに引退しちゃった英雄と22歳のツクサール。普通だったら先々を考えて若手を起用すると思うじゃない。でも、初の決勝だし、もちろん勝ちたいってことで、こんなことが実現しちゃったんじゃないかしら?2003年のシーズンを最後にツアーから姿を消したイバニセビッチ。最後のタイトルは2001年のウィンブルドンで、主催者推薦で出場して優勝という快挙だったのよね~。
当時も左肩の怪我に悩まされて、その後もそれが原因で引退へ追い込まれちゃって・・・。そんな彼がまたコートに戻ってくるなんて、あ~~~決勝戦みた~い!!!そう思わない?


中村藍子
次の日本のエースが期待される
画像提供:Getty/AFLO

女子ツアーがアジアシーズンに入って、多くの日本人選手が予選とかにも出場してるわね。応援し甲斐があるわ。そんな中、このところ安定した力を見せてるのが中村 藍子(日本)ちゃん。
8月以降は予選を含め5大会連続初戦敗退なし。先週の北京もそうだけど、予選に出場した3大会でも連続で本戦に勝ち上がってて、目標だったトップ100入りも今では安定して71位にまで上げてますね~。ストローク力には定評があるだけに、上位選手に勝つには自分の決め球を持ったり、ネットでも攻められるようになればトップ50入りも夢じゃないかって思うのよね~。
そんな中、残念なニュースが飛び込んできたの。今まで長い間日本女子テニス界を引っ張ってくれた吉田 友佳(日本)選手が現役を引退しました。7歳からテニスを始めた彼女は18歳でプロ転向。最高ランキングは1997年の51位で、今年6月の全仏オープンの予選に出場して以来、大会には参加してませんでした。最後のタイトル、今年2月に佐伯 美穂(日本)と組んだダブルスの優勝。今後はヨネックスのアドバイザーとして人生を再出発させるとか。お疲れ様でした&これからも頑張ってね!

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