男子プロテニス協会のATPは14日、公式サイトで2017年の大逆転勝利ベスト5を発表した。
同率で5位となった2試合は、いずれも5本のマッチポイントをしのいで逆転勝利だった。
【第5位:カタール・エクソンモービルOP準決勝 ジョコビッチ vs ベルダスコ】シーズン開幕戦のカタール・エクソンモービル・オープン(カタール/ドーハ、ハード、ATP250)準決勝で
N・ジョコビッチ(セルビア)は第1セットを
F・ベルダスコ(スペイン)に先取され、第2セットのタイブレークで5本のマッチポイントを握られた。
当時世界ランク2位のジョコビッチはそのピンチをしのぐと、 4-6, 7-6 (9-7), 6-3の大逆転でベルダスコを振り切り決勝進出。決勝では2016年後半で世界ランク1位の座を手にした
A・マレー(イギリス)を下して優勝を飾った。
ジョコビッチはテニス人生で、5本のマッチポイントを握られてからの逆転はこれが3度目。2009年に
F・セラ(フランス)、そして2012年にはマレーとの対戦で勝利していた。
【第5位:ハッサン2世グランプリ決勝 チョリッチ vs コールシュライバー】当時20歳の
B・チョリッチ(クロアチア)はハッサン2世グランプリ(モロッコ/カサブランカ、レッドクレー、ATP250)で自身3度目のATPツアー決勝の舞台に立ち、初優勝を狙っていた。
対戦相手はベテランの
P・コールシュライバー(ドイツ)で、第1セットを奪われたチョリッチは、第2セットでも先にブレークされる苦しい展開だった。
自身の8度目の優勝が見えてきたコールシュライバーへチョリッチが反撃を見せ始めた。
第2セットでブレークバックに成功したチョリッチは、第12ゲームで自身のサービスゲームを迎えた。しかし、5本のマッチポイントをコールシュライバーに握られる崖っぷに立たされる。このピンチを見事なサービスエースなどで切り抜けると、そのゲームをサービスキープしてタイブレークへ突入。
そのタイブレークを取ったチョリッチが5-7, 7-6 (7-3), 7-5の2時間38分でコールシュライバーを退け、ATPツアー初優勝を飾った。
【第4位:BNPパリ・マスターズ2回戦 ソック vs エドモンド】シーズン最後の公式戦だったBNPパリ・マスターズ(フランス/パリ、ATP1000)で
J・ソック(アメリカ)は勝敗を決めるファイナルセットも
K・エドモンド(イギリス)にゲームカウント1-5とリードを許し、敗戦と2017年シーズンの終了が目前だった。
25歳のソックは、その後の30分で全く違うストーリーで自身も想像していなかった結末を迎えた。
そこからソックは22ポイント中19ポイントを奪うなど一気に流れを引き寄せた。そのまま4-6, 7-6 (7-4), 7-6 (7-5)の逆転で勝利し、以降も次々と勝ち星を重ねて決勝へ進出。
決勝では予選勝者の
F・クライノビッチ(セルビア)に第1セットを先取される劣勢から逆転し、自身初のマスターズ優勝を飾ると同時にツアー最終戦であるNitto ATPファイナルズ(イギリス/ロンドン、インドアハード)への切符も初めて手にした。
【第3位:モンテカルロ・ロレックス・マスターズ3回戦 ラモス=ヴィノラス vs マレー】当時世界ランク24位の
A・ラモス=ヴィノラス(スペイン)はモンテカルロ・ロレックス・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)3回戦で同1位のA・マレーにファイナルセットでゲームカウント0-4と大きくリードを許していた。
そこからラモス=ヴィノラスはマレーのサービスゲームを3度ブレークする猛攻で2-6, 6-2, 7-5の逆転で下すと、自身初となる世界ランク1位からの勝利となった。
この試合までラモス=ヴィノラスはトップ5選手との対戦成績を1勝12敗と大きく負け越していた。
マレーに勝利して自身初のマスターズ8強進出を果たしたラモス=ヴィノラスは、その後も勝ち進むと決勝へ。決勝では
R・ナダル(スペイン)に敗れたが、準優勝を飾った。
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