男子テニスで世界ランク7位の
錦織圭は、24日に開幕するバルセロナ・オープン(スペイン/バルセロナ、レッドクレー、ATP500)でマイアミ・オープン(アメリカ/マイアミ、ハード、ATP1000)以来、約1カ月ぶりに公式戦に姿を見せる。
今季の錦織は、開幕戦のブリスベン国際(オーストラリア/ ブリスベン、ハード、ATP250)で準優勝を飾る好スタートを切った。続く全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)ではベスト16に終わったが、4回戦では今季絶好調の
R・フェデラー(スイス)との激闘を演じた。
その後、約3週間の休養をはさみ、4連覇中のメンフィスオープン(アメリカ/メンフィス、室内ハード 、ATP250)をスキップして、戦いの地を南米に移しアルゼンチンオープン(アルゼンチン/ブエノスアイレス、レッドクレー、ATP250)に出場。決勝で
A・ドルゴポロフ(ウクライナ)に敗れたが今季2度目の準優勝を飾った。
ここまでは好調をキープしていたかのように見えた錦織だが、第1シードで臨んだリオ・オープン(ブラジル/ リオデジャネイロ、レッドクレー、ATP500)1回戦では、
T・ベルッチ(ブラジル)にストレートに敗れて、2015年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)以来の初戦敗退。試合中には怒りでラケットを破壊するなど、温厚な錦織らしからぬ場面が見られた。
続くマスターズ初戦のBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)では準々決勝で
J・ソック(アメリカ)に惜敗。第2シードで出場したマイアミ・オープンでは、2年連続で準々決勝進出を果たしたが、F・フォニュイーニにストレートで敗れてベスト4を逃した。4回戦では左膝を負傷、準々決勝では痛めた右手首の怪我が影響して得意のストロークは影を潜め、満身創痍での戦いを強いられた。
今シーズンの錦織は、マイアミ・オープンが終了した時点で15勝6敗。決勝進出は2度で、優勝は未だない。自身最多のシーズン58勝を上げた昨年の同時期の結果と比較すると、18勝5敗で決勝進出は2度、メンフィスオープンでタイトルを獲得していた。
結果だけを見ると、昨年とあまり大きな変化はないが、今季はランキングが下位の選手に敗れる試合が増えている。男子テニスの実力をランキングで測ることは到底出来ないが、トップシードとしてランキング下位の選手と対戦するプレッシャーや、クレー大会を選択したことでの身体への負担が、錦織の今季の戦いぶりに影響を及ぼしていることは間違いない。
錦織にとってプロ10年目の今季、
N・キリオス(オーストラリア)や
A・ズベレフ(ドイツ)ら若手選手の台頭が著しいなか、マスターズとグランドスラムでの初優勝に向け、フィジカル面のケアとトップシードとして戦う重圧を乗り越えるメンタル面のケアが重要な鍵になる。
【2017年の戦績】ブリスベン国際(オーストラリア/ ブリスベン、ハード、ATP250)
準優勝
全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)
ベスト16
アルゼンチンオープン(アルゼンチン/ブエノスアイレス、レッドクレー、ATP250)
準優勝
リオ・オープン(ブラジル/ リオデジャネイロ、レッドクレー、ATP500)
1回戦
BNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)
ベスト8
マイアミ・オープン(アメリカ/マイアミ、ハード、ATP1000)
ベスト8
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