フランスのラケットスポーツメーカーTecnifibre(テクニファイバー)は男子プロテニス協会のATPとパートナーシップを組んでおり、現在行われているATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ロンドン、室内ハード)でオフィシャル・ストリンガーを務めている。
>>ファイナルズ組み合わせ表<<ATPワールドツアー・ファイナルズに出場する選手たちのストリングを張るテクニファイバー契約ストリンガーの小林大輔氏にインタビューした。
小林大輔氏
選手からストリングの張り依頼がきた時、細かな要望は特にないと小林氏は話す。シンプルで、紙に記入してもらった通りのテンション数、ノットの数(1本張りか2本張り)、ストリングの種類、いつまでに欲しいかを聞いて、大会期間中は対応している。
今大会のシングルスに第5シードで出場している
錦織圭からも特に要望はないと小林氏。
錦織からのオーダーシート
小林大輔氏
選手たちのラケットを支えるストリングの張りに対しては「正確に、ミスをせず張ることを1番心掛けています。なにかアクシデントがあると、試合を潰すことになる。スピードも速く、リスクも回避することをいつも考えています」と述べた。
「1番大事なのはマシン。ストリンガーのレベルの高さは当たり前で、同じマシンで最後まで張り続けるのが基本のルールです。ストリンガーたちが同じ仕事をやって、マシンが変らなければ、同じ張りのラケットを提供出来るというのが大前提です」
今回ツアー・ファイナルズでのTFブース
普段は東京都内でラケットショップを経営している小林氏は、全仏オープンで2度の準優勝を誇る
R・ソダーリン(スウェーデン)から評価をもらうほどの腕前。
当時について「2009年に初めて張った時からソダーリンが気に入ってくれました。その後にソダーリンは
R・ナダル(スペイン)に勝って、グランドスラムで初めて決勝へ進出しました。そのこともあり、翌年の全仏オープンもソダーリンのラケットに携わりました」と話してくれた。
最後にテニスをする上で、ストリングについて小林氏は以下のように述べた。
「選手は当然ですが、毎日ストリングを張り替えています。一般の方は張替えに期間が長過ぎることがよくあります」
「テクニファイバーのストリングには1週間で使用期間が終わると言われている。トレーニングをしていない人がポリエステルを使うと、マルチフィラメントに比べ、22パーセントずつダメージが蓄積されるデータも出ている。そういうことを理解して使っていただきたいと思います」
小林大輔氏
「今大会は40ポンド台の選手がほとんどです。硬い(補欠の)
D・ゴファン(ベルギー)でも50ポンドちょっと。パワーのある選手はスピードを求めて緩く張ります。例えば、ブライアン兄弟はハイブリッドでポリエステルが入って40-38とかです」
「ただ、一般の方がブライアン兄弟と同じテンションでテニスをすると、コントロールしづらくなると思いますので、相談するストリンガーを是非見つけていただきたいと思います。そうするだけで全然違います」
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