テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は2日、男子シングルス3回戦が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)は
M・ユーズニー(ロシア)と対戦したが、第1セットをゲームカウント4-2とリードした時点で、ユーズニーが左太ももを負傷し棄権を申し入れたため、労せず10年連続のベスト16進出を果たした。
>>全米オープン対戦表<<31日の2回戦も対戦予定だった
J・ヴェセリ(チェコ共和国)が左前腕の炎症を理由に棄権。ジョコビッチはこれで2試合連続で、対戦相手の棄権で不戦勝となった。
1回戦途中で右腕に治療を受けるなど、万全な状態ではなかったジョコビッチは2・3回戦合わせて、わずか31分しか戦っていない。
「これまでのテニス人生で、どんなグランドスラムでも、こんなことは経験したことがない。シーズンの終盤に、試合に要した時間や、体に対しての負担を考えると、数日のオフが持てるのは正直嬉しかったし、こんな短い試合で済んだこともある意味ありがたい」と素直な感想を述べた。
そして「別の見方をするなら、グランドスラムの2週目へ向けて、ある程度の試合をこなして、トップ選手と対戦する前にセンターコートでプレーしておきたかった気持ちもある」と複雑な想いも打ち明けた。
ユーズニーはゲームカウント1-4のコートチェンジの時にトレーナーを要求し、左太ももの治療を受けてテーピングを施してコートへ戻った。続く第6ゲームでは自身のサービスゲームをキープしたが、その直後にジョコビッチへ握手を求め棄権を申し入れた。
2006年と2010年の全米オープンで4強のユーズニーは元トップ10選手だが、怪我などで世界ランキングを下げており、現在は61位まで戻している途中だった。
元世界ランク1位の
Bo・ベッカー(ドイツ)がコーチとして帯同しているジョコビッチは「色々なことを練習する必要がある。それがスポーツの美しいところ。日々変わってくる。コートでは、毎日違うことにチャレンジしている」とコメント。
「グランドスラムの第1週は、明らかに100パーセントではない。それは大会を戦い抜く方法でもある。ここまで実戦をこなすことがあまり出来ていない。練習コートでボールを打つしかない」と調整の難しさも語っていた。
この日の試合後、ジョコビッチは試合用の白のウエアから緑のTシャツへ着替えると1時間ほど練習した。コーチのベッカーが見守る中、ジョコビッチは何度もサービスを打っていた。そして練習相手のサービスを何度もリターンした。
左手首に不安を抱えた状態で今大会に臨んでいるジョコビッチは29日に行われた1回戦で、右腕に治療を受けるシーンがあった。わずか5ゲーム戦った後に、トレーナーからマッサージを受け、その後も腕を振ったりストレッチをしたり、サービスを打った後に顔をしかめたりもしていた。
また、グランドスラムの1回戦でセットを落としたのは、2010年以来だった。
「腕はかなり良くなっていて、全てが正しい方へ向かっている。初戦の時よりは、数段良くなっているのを確信している」
4日に予定されている4回戦では、やっと実戦での感触が掴めるかもしれない。8強をかけてジョコビッチは、第20シードの
J・イズナー(アメリカ)を6-4, 3-6, 6-2, 7-6 (7-5)で下した
K・エドモンド(英国)と対戦する。
(STATS - AP)
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