テニスのウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)は8日、男子シングルス準決勝が行われ、第3シードの
R・フェデラー(スイス)は第6シードのM・ラオニチに3-6, 7-6 (7-3), 6-4, 5-7, 3-6のフルセットで敗れ、大会最多11度目の決勝進出とはならなかった。
>>フェデラーvsラオニチ1ポイント詳細<<>>ウィンブルドン対戦表<<ウィンブルドンで7度の優勝を誇るフェデラーは第1セットを失ったが、第2・第3セットを奪い返して勝利への流れを掴んだかと思われた。
しかし、第4セットのゲームカウント5-6ではゲームポイントを握っていたが、2連続のダブルフォルトを犯してラオニチを生き返らせてしまった。
「この敗戦は明らかに心に傷を残す。なぜなら、勝利がほぼ手に入りかけていたから。あとほんの少しだった。本当に本当にあと少しだった」と敗戦への想いを語った。
ファイナルセットの第4ゲーム、フェデラーは芝で足を滑らせ転倒する場面があった。その直後にトレーナーを呼び、左膝の治療を受けてコートへ戻った。しかし、そのゲームをブレークされてしまう。
グランドスラム史上最多17度優勝しているフェデラーは、第4セットの第8ゲーム、ラオニチのサービスゲームで30-40とブレークポイントを握り、ラオニチを追い詰めていた。しかし、そこでラオニチに224キロのサービスエースを叩き込まれた。
8月8日で35歳になるフェデラーは、1974年以来となる最年長で決勝の舞台に立つ選手になるかと思われた。ウィンブルドンで7度優勝しているのは、
P・サンプラス(アメリカ)と1800年代に活躍したW・レンショーで、最後にフェデラーが優勝したのは2012年。これまでの2年間は
N・ジョコビッチ(セルビア)に敗れ準優勝に終わっていた。
もしかするとフェデラーはエネルギーが切れていたかもしれない。6日に行われた準々決勝では第9シードの
M・チリッチ(クロアチア)に2セットを奪われてからの大逆転勝利を飾るなど、この2試合で10セットの戦いを強いられていた。
2年前の準決勝では、フェデラーがラオニチをストレートで下した。しかし今回は、フェデラーが普段見せないような姿も見られた。
第4セットのゲームカウント5-6、フェデラーのサービスゲームでは、40-0とゲームポイントを迎えていた。次のポイントではラオニチにフォアハンドのウィナーを決められたが、そこからフェデラーは2連続でダブルフォルトを犯した。そして、第1セットの第4ゲーム以来となるブレークを許してしまった。
「ダブルフォルトを2連続で犯すなど信じられない。全く説明がつかない。とても悲しいし、自分自身に怒りを覚えた。簡単に彼(ラオニチ)にあのセットを与えてしまうべきではなかったから」とフェデラーは後悔していた。
そしてファイナルセットの第4ゲームではプレー中に転倒し左膝に治療を受けた。しかしその後コートに戻ったフェデラーは、ここでもダブルフォルトを犯してラオニチにブレークされた。
「膝はそれほど悪くないと思う。歩くことも出来たし、試合を終わらせることも出来た。でも、これまではあまり芝に足を取られることはなかったし、転倒するのも珍しい。普通の転倒とは違った」
どれほどの怪我かを問われ「まだ分からない。知りたくもない。後になって、これまでと同じではないと感じただけ」と詳しくは語らなかった。
今季はフェデラーにとって怪我に泣かされるシーズン。2月には左膝の軟骨修復の手術を受け、それがテニス人生初の手術だった。復帰すると腰を痛め、全仏オープンを欠場。それまで続いたグランドスラムの連続出場記録も65回で途切れた。そして、ここまで1度も優勝を飾れずウィンブルドンへ臨んでいた。
(STATS - AP)
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