テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は3日、女子シングルス2回戦が行われ、第26シードの
F・ペネッタ(イタリア)が
M・ニクルスク(ルーマニア)を6-1, 6-4で下したが、その試合中にドローンが観客席に落下する事件が起きた。
この試合は、今大会で2番目に大きいルイ・アームストロング・スタジアムの最後の試合として第5試合目に行われていた。それは試合の終盤、第2セットの第9ゲームの時だった。
全米テニス協会のスポークスマンであるC・ウィッドマイヤーによると、ドローンは誰もいない観客席に落下し、怪我人などは出ていないという。現在、ニューヨーク警察によって調査が行われている。
その黒い機械はスタジアムを対角線状に飛んでいた。試合をしていたペネッタは、ドローンが飛んでいる音を聞いていたが、それが何なのか分からなかったと語っていた。そして最初に感じたのは、爆弾か何かかも知れないと思ったと語る。
「その時はちょっと怖かったと言わざるを得ない。世界中のあちこちで色んな事が起きているし。それから、“OK、もう終わりね”って思ったわ。そんな状態だった。」と、ペネッタはその時を振り返っていた。
主審も大会関係者も、それが実際はドローンだったとは教えてくれなかったとペネッタは言う。
ドローンは観客席に落下すると粉々に壊れてしまった。その時は、警察や消防士がその場所へ駆け付けていたために、試合は一時中断を余儀なくされた。
「主審は、警察からOKが出るのを待っていた。正直、彼等もそれが何なのか分からなかった。」と語るペネッタのコーチやトレーナーなどは、ドローンが落下した場所のちょうど反対側に座っていた。彼等もその時はとても怖かったと、試合後ペネッタに伝えていた。
「セキュリティはしっかり考えられているかも知れないけど、結果的に空からそれは降ってきた。」とペネッタは不安を隠せなかった。
この事件は現地時間午後8時30分頃、ルイ・アームストロング・スタジアムで行われていたこの日最後の試合中での出来事だった。
このスタジアムは1万人を収容できるスタジアムである。当初、ペネッタとニクルスクの試合は17番コートで予定されていた。しかし、このスタジアムで行われた試合がいずれも早めに終わったために、コートを変更して行われていた。
「もしもっと観客がいたら、彼等の上に落ちていて多くの怪我人が出ていたかも知れない。」とペネッタは事の重大さを表していた。
(STATS - AP)
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