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錦織 全米で得たのは「自信」

31日から開幕するテニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)で、昨年M・チリッチ(クロアチア)錦織圭(日本)は数々の強豪を破る快進撃で決勝進出を果たし、世界中を驚かせた。

それまでのグランドスラム過去最高成績は、チリッチが2010年の全豪オープンで1度だけベスト4入り、錦織は2012年の全豪オープンで1度だけベスト8入り。

昨年の全米オープンでは錦織が第10シード、チリッチは第14シードで出場。そして、準決勝で錦織はN・ジョコビッチ(セルビア)、チリッチはR・フェデラー(スイス)に勝利し、初のグランドスラム決勝の舞台に立った。

チリッチはその時を振り返り「2人ともかなり緊張していた。」と語る。

来週からニューヨークにあるフラッシング・メドウの青いコートで繰り広げられる全米オープンでは、前年度チャンピオンのチリッチと準優勝者の錦織は12ヵ月前に披露したテニスから自信を持ってコートに立つ。

両者はいずれも、自身のテニスにはまだまだ改善点があると語る。

「こんな大きなタイトルの獲得は当然歴史に残る記録。自分自身にとって、とても大きく前向きな出来事。また、あの瞬間を経験するのは難しいことだけど、全米オープン優勝で精神面は確実に良くなっている。」

「そのことで、大会へ向けてより良い準備が出来るようになったのは確か。特に大きな大会へ向けてはより一層。」とチリッチは自身の想いを語っていた。

2013年の全米オープンはドーピング違反から出場禁止処分中だったために出場していなかったチリッチ。昨年の決勝戦では錦織をストレートで下し、グランドスラムではクロアチア出身選手として2001年にウィンブルドンを制し現在チリッチのコーチをしているG・イバニセビッチ(クロアチア)以来となった。

現在1989年の全仏オープン・チャンピオンのM・チャン(アメリカ)をコーチにつけている錦織は、日本人として1933年以来となるグランドスラムでの準決勝進出を果たし、アジア出身の男子選手として初めてグランドスラム決勝の舞台に立った。

この決勝戦は、2005年の全豪オープンのM・サフィン(ロシア)L・ヒューイット(オーストラリア)以来となるフェデラー、ジョコビッチ、R・ナダル(スペイン)がいないグランドスラム決勝戦となった。それまでのグランドスラム38大会中34大会で、フェデラー、ジョコビッチ、ナダルのいずれかが優勝していた。その他の4回中2回はA・マレー(英国)が優勝している。

決勝進出までの道のりでS・ワウリンカ(スイス)M・ラオニチ(カナダ)らを下した錦織は「たくさんのことを学び、ノヴァーク(ジョコビッチ)らトップ10選手達を倒したことで、かなりの自信がついた。精神的にも強くなった。そして、さらに自分自身を信じられるようになった。」と、昨年の全米オープンでの経験から得たものを語っていた。

アメリカのフロリダ州ブラデントンに拠点を置く25歳の錦織は今季安定した成績を残しており、世界ランク4位に位置している。今年はここまで3大会で優勝、それ以上の優勝はジョコビッチ、フェデラー、マレーしかおらず、ここまで46試合で勝利を飾っている。これはジョコビッチとマレーに続く数字。

17歳でプロになって以来、錦織がこれまでも苦しめられたもの。それは怪我だった。

例えば、ウィンブルドンでは直前に痛めた左ふくらはぎの怪我により棄権を余儀なくされ、先週のシンシナティ・マスターズも臀部の負傷から欠場。

身長180センチの錦織は「練習を続けることが、大事なことの1つ。」と話す。

身長198センチのチリッチは、右肩の怪我により全豪オープンを含む今シーズン序盤の大会を欠場していた。今季の初勝利は4月に入ってからだった。強烈なサービスとフラットで打ち込むストロークが武器のチリッチは、肩の問題はないと言う。

「昨年の全米オープン後は、もしベストのプレーさえ出来ればどんな大会でも上位進出出来ると感じていた。そんな気持ちを毎週持って、これからのテニス人生を送っていきたい。」と語るチリッチ。

そして「安定感という意味では、今の自分のテニスはまだ十分ではない。そこに1番の重きを置いて練習をしていきたい。自分のテニスは、まだまだ多くの部分で改善出来ると感じている。」と自身のテニスについて述べていた。

(STATS - AP)

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