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テニスのグランドスラム、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会3日目の29日、女子シングルス2回戦が行われ、この大会を最後に引退を表明している元世界ランク1位で第23シードのK・クレイステルス(ベルギー)が2回戦で敗退する波乱に見舞われた。
波乱の立役者はL・ロブソン(英国)で、クレイステルスを7-6 (7-4), 7-6 (7-5)のストレートで下した。
この試合、第1セットの第4ゲームで先にブレークに成功したのはクレイステルス、ゲームカウント4-1とリードする。その後ゲームカウント5-3、クレイステルスはサービング・フォー・ザ・セットを迎えるも、ロブソンにブレークバックを許し、タイブレークへと持ち込まれる。
そのタイブレークでは両者譲らず4-4、そこからロブソンは3ポイント連続で奪い、第1セットを57分で先取した。
第2セットでも先にブレークに成功したのはクレイステルスだったが、第1セット同様ロブソンにブレークバックを許してしまう。その後は両者サービスキープが続き、ゲームカウント5-6でのクレイステルスのサービスゲーム、15-40とロブソンに2本のマッチポイントを握られる。しかし、そこでドライブボレーとサービスエースでクレイステルスが凌ぎ、このセットもタイブレークへともつれた。
第1セットに続き、タイブレークとなった第2セットでは、クレイステルスが先にミニブレークを奪ったが、ロブソンも負けじとポイントを重ね、両者一歩も引かない状況が続く。
その後、6-5と3度目のマッチポイントを握ったロブソンが、アドバンテージ・サイドから左利き特有のワイドへのサーブを放ち、クレイステルスのリターンがアウト。その瞬間ロブソンは天を仰ぎネットへ歩み寄ると、クレイステルスと抱き合った。
この敗戦で、テニス人生のシングルスに幕を下ろす形となったクレイステルスは、全米オープンで3度の優勝と全豪オープンで1度の優勝を含め、キャリア通算41回の優勝を振り返り「信じられないくらい素晴らしい旅だった。テニスのお陰で沢山の夢を実現出来た。」と、自身のテニス人生に満足しているようだった。
「話し合いをして色々な事を考えて引退を決めてからは幸せな日々だった。この1年半から2年間は、数々のアップダウンがあったけど、色んな感情もあった中で、こうしてここまで来た事には満足しているの。こうしてやってこれた自分に対して誇りに思う。だから今は幸せな気持ちでいるの。」と現役復帰してからのここ数年を振り返り、後悔のない事を明かした。
ロブソンについては「もっと体を作り上げたらより良い選手になるはず。より爆発力を増せば、必ず最高の選手になるでしょう。これから注目すべき選手だと思う。」と18歳の彼女の将来に期待を寄せていた。
クレイステルスはシングルスで敗退したものの、女子ダブルスでは同胞のK・フリッペンス(ベルギー)と組んでの出場、ミックスダブルスではB・ブライアン(アメリカ)と組んでエントリーしており、クレイステルスの全米オープンはまだまだ続く。
勝利したロブソンは現在世界ランク89位で、トップ100選手中最年少プレーヤー。グランドスラムでの3回戦進出は自身初。
ロブソンは4回戦進出をかけて、C・デラクア(オーストラリア)を6-4, 6-4のストレートで下した第9シードのN・リー(中国)と対戦する。
この日の試合結果は以下の通り。
V・アザレンカ(ベラルーシ) (1) ○-× K・フリッペンス, 6-2, 6-2
M・シャラポワ(ロシア) (3) ○-× L・ドミンゲス=リノ(スペイン), 6-0, 6-1
P・クヴィトバ(チェコ共和国) (5) ○-× A・コルネ(フランス), 6-4, 6-3
S・ストザー(オーストラリア) (7) ○-× E・ガロビッツ(ルーマニア), 6-3, 6-0
N・リー (9) ○-× C・デラクア, 6-4, 6-4
M・バルトリ(フランス) (11) ○-× R・オプランディ(スイス), 6-2, 1-6, 7-5
L・サファロバ(チェコ共和国) (15) ○-× A・ウズニアッキ(カナダ), 6-3, 4-6, 6-2
K・ラドノビ ○-× A・パブリュチェンコワ(ロシア) (17), 6-1, 6-2
N・ペトロワ(ロシア) (19) ○-× S・ハレプ(ルーマニア), 6-1, 6-1
L・ロブソン ○-× K・クレイステルス (23), 7-6 (7-4), 7-6 (7-5)
P・パルメンティエ(フランス) ○-× Y・ウィックマイヤー(ベルギー) (25), 7-6 (7-5), 6-3
鄭潔 (28) ○-× M・リバリコワ(スロバキア), 6-3, 6-1
V・レプシェンコ(アメリカ) (31) ○-× An・ロディオノワ(オーストラリア), 6-2, 6-2
M・ミネッラ(ルクセンブルグ) ○-× K・プリスコバ(チェコ共和国), 6-4, 6-4
M・バーデッテ(アメリカ) ○-× L・フラデカ(チェコ共和国), 6-2, 6-4
A・タチシュビリ(グルジア) ○-× S・シルステア, 6-7 (5-7), 6-1, 6-2
(翻訳/弓削忠則)
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