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フランステニス協会は全仏オープンの会場移転に関する投票を行い、これまで候補に挙がっていた土地への移転ではなく、これまで通りローラン・ギャロスで大会を開催し、その施設をより大きく、そして現代的にリノベーションすることを決定した。
2016年からと計画されていた全仏オープンの会場移転に関して、ベルサイユ宮殿で有名なベルサイユ、ゴネス、そしてマルヌ=ラ=ヴァレの3箇所が候補に挙がっていたが、それぞれの土地でゼロからの会場建設が高額すぎるとの理由で見送られた。
仏テニス協会は日曜日、80年以上の歴史を誇るローラン・ギャロスを60%以上も拡大する改築計画を発表した。また、この改築の際にはこれまで重ねてきた歴史が失われないようにするとのこと。
今回の改築計画よるとローラン・ギャロスは近い将来には、35のアウトコート、新しいプレスセンター、そしてセンターコートには可動式の屋根が取り付けられることとなり、雨が降っても試合が行なわれるようになる。
仏テニス協会会長であるジャン・ガシャサン氏は「我々の目的は、高い質を持った未来への計画を採用することでした。もてなしを向上させ、選手にも観客にもより快適に大会を楽しんでもらいたい。」と、声明を発表している。
パリで開催されているGDFスエズ・オープンに出場しているK・クレイステルス(ベルギー)は、このニュースを歓迎しているようだ。「全仏オープンがあるべき所から移り変わってしまったら、悲しい知らせとなっていたでしょう。ジュニアの時から思い出がありますから。」
しかし、現在はGDFスエズ・オープンのトーナメント・ディレクターを務める元女王のA・モレスモ(フランス)は、今回の決定に反対の立場を表明している。
「仏テニス協会が今回の決定に関して、問題を抱えないことを望みます。テニスの環境がこの決断に適応するかどうかは分かりません。私はいくつかの疑問を持っていますし、移転することに賛成していました。」
今回の決定に関しては、コスト面の影響があったことは否めないものとなっている。
仏テニス協会によると、今回の改築にかかる費用はおよそ3億7000万ドル程度と見積もられている。その一方で会場を移転した場合は、6億3000万ドルから10億ドル程度の費用がかかる見通しだった。
候補案を一つずつ消していく方式で行なわれた投票では、まずゴネスが1回目の投票で消え、続いてベルサイユが落選した。最後に行なわれた決選投票では、ローラン・ギャロスの改築案が3分の2以上の票を獲得していた。
ローラン・ギャロスは四大大会のうち最も小さい会場として知られており、選手やファンからは狭い通路や限られたスペースが原因となっている混雑について苦情が出ていた。
今回の改築計画では、会場の面積も従来の1.5倍に拡張することも盛り込まれている。また、8000人が収容できるスタジアムも新たに建築される予定となっており、地元で行なわれるイベント等にも開放されることとなっている。
また今回のローラン・ギャロスの改築計画に関しては、地元住民や自然動物保護団体や自治体から反対意見や抗議の声が挙がっていた。
またモレスモは伝統と近代化は共存しうるには、条件があるとしている。
「もしトーナメントの歴史を保ちながら、観客も選手も幸せで、雨が降っても夜でも試合が出来るのであれば、それは完璧な状況となるでしょう。もしこの条件んで伝統が守られるのであれば、それは素晴らしいことです。しかし、それがローラン・ギャロスに当てはまるかどうかは分かりません。」
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