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テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は大会13日目の29日、女子シングルス決勝が行なわれ、第3シードのK・クレイステルス(ベルギー)が第9シードのN・リー(中国)に3-6, 6-3, 6-3の逆転で勝利、今大会では初、自身4個目となるメジャータイトルと優勝賞金220万豪ドルを手に入れた。
チャンピオンスピーチでクレイステルスは「ようやく皆さんに“オージーキム”と呼ばれたい気分です。タイトルを獲れましたから。」と、涙をにじませながらファンに語りかけると、会場に集まったファンは大歓声で勝利を祝福した。
クレイステルスは2004年にも決勝に進出しているが、その時は同胞のJ・エナン(ベルギー)に敗れ準優勝に終わっていた。また、過去には4度の準決勝敗退も経験している。
試合後のテレビインタビューを受けたクレイステルスは「この勝利には多くの意味があります。子供の頃、M・セレス(アメリカ)が何度も勝っている場面をテレビで見ました。彼女たちはスタンドに駆け上がっていたと思います。それで彼女がそこでスピーチをしたことを覚えています。私はただ驚くばかりで、まるでおとぎ話のようでした。」と、子供の頃の出来事を思い出していた。
一方のリーは、アジア勢初となるグランドスラムチャンピオンに後一歩のところで届かなかった。決勝の最中、リーは審判に中国人ファンとカメラマンのフラッシュについて苦情を言っていた。
「彼らは“止めをさせ!”とラリーの最中にも叫んでいました。私としては、どうしてそういうことが出来るのか分かりませんでした。」とリーは通訳を介してコメントしている。
クレイステルスは2005年にグランドスラムで初タイトルを獲得しているが、それまでに4度も決勝で敗れていた。その間、オーストラリアのファンはまるで地元選手のようにクレイステルスを応援していた。その理由は、彼女がかつてL・ヒューイット(オーストラリア)と婚約していただけではない。
「ここの人たちは本当に協力的でした。彼らはただ素晴らしく、本当に感謝しています。私はいつも、何も返せるものがないので申し訳なかったです。以前は決勝でジュスティーヌに負けましたが、今では“オージーキム”と呼ばれても大丈夫だと思います。」
この決勝の直前、クレイステルスは2011年を最後にツアーにフル参戦しないだろうとしていたが、今では来年のタイトル防衛に意欲を見せており、可能ならばロンドン五輪への出場も視野に入れているようだ。
試合序盤は経験に勝るクレイステルスがリズムを掴み、開始から8ポイントを連取して2-0とリードを奪ったが、そこからリーも反撃に転じ、正確なグラウンドストロークでウィナーを決め始める。
そこからクレイステルスのリズムが狂い始め、4ゲーム連続でサービスキープに失敗するなど試合の流れがリーに傾き、第1セットはリーが逆転で奪取する。
第2セットに入ると最初の4ゲームは全てブレークと両者譲らぬ展開になるが、リーの3-2リードで迎えた第6ゲームからリーにミスが目立ち始める。
今大会の前哨戦でもクレイステルスと対戦したリーは、第1セット0-5の劣勢から逆転に成功していたが、この試合ではその再現は出来なかった。
さらにリーは、第2セット後半から中国人サポーターに対しフラストレーションを感じ始めていた。第3セットでリーは主審に「中国人に私にテニスのやり方を教えないように言って下さい。」とリクエストしている。それを受けて審判は観客に沈黙を2度ほど求めたが、効果はなかった。
ゲームカウント2-3から4ゲームを連取して第2セットを奪ったクレイステルスは、第3セットに入ってもリズムを立て直せないリーを攻め続け、一気に4-1とリードを奪うと、そのリードを守りきりタイトルをもぎ取った。
リーは今回の彼女の活躍で、中国でどのような影響を与えられるか定かではないとしている。中国のオフィシャル放送事業者によると、今回の決勝のライブ中継を1500万人が視聴したとのこと。しかし、リーによれば人口2200万人のオーストラリアよりも少ないとしている。
「数千万なんて意味がありません。オーストラリアでは80%の人々がテニスを見ています。比べ物になりません。」
28歳のリーはこれまでに中国人初のツアー優勝や、トップ10入りなど多くの記録を打ち立てているが、自分自身では先駆者のような感覚はないようだ。
「私のキャラクターには似合っていません。」とリー。「私はベストを尽くすだけです。中国のテニス界がもっと早く成長して、もっと多くの人が関わって欲しいと思います。まるでピラミッド構造のようなので、より多くの人が関われば、その頂上はもっと高くなるでしょう。」
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