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ルーがロディック破りベスト8進出の快挙◇ウィンブルドン

テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は大会7日目の28日、男子シングルス8試合が行われ、ノーシードのルー・イェンスン(台湾)が、昨年の準優勝者で第5シードのA・ロディック(アメリカ)を4-6, 7-6 (7-3), 7-6 (7-4), 6-7 (5-7), 9-7の接戦で下し、自身初となるグランドスラム8強進出を果たした。

これまでのグランドスラムでは、2009年の全豪オープン3回戦が最高成績であったルーは、第1セットこそロディックにブレークを許し先制されたが、その後は全てのサービスゲームをキープすると、ファイナルセット第16ゲームで遂にロディックのサービスゲームをブレーク、大金星を挙げた。

この日の試合で83本のウィナーを決めているルーは、1995年の松岡修造(日本)以来となるアジア男子勢としてのウィンブルドン準々決勝進出を果たした。

世界ランク82位のルーに思わぬ敗戦を喫したロディックは「3セットは本当に酷いテニスだった。どこにどうやってボールをコートに入れるかって考えるようにしていたんだ。第5セットは良いプレーだったし、彼のサービスゲームで苦しめることが出来た。だけど自分で墓穴を掘ってしまったら、そこから抜け出すのは難しいし、相手に自信を与えてしまったよ。」と自らのパフォーマンスを嘆いた。

しかしロディックは「彼はリスクの高いプレーをしていたけど、とても良く実行していた。彼にはゲームプランがあったし、それを貫いていた。僕よりも勝利が相応しいのは確かだね。」と勝者を称えた。

これまでロディックに対し0勝3敗だったルーは「彼にはビッグサーブがあるから、芝での対戦はタフになると分かっていた。以前と違うこともしていないよ。苦しい場面でサーブに頼ったけど、無理はしなかった。今日は時間をとって、普段通りのサーブで彼に喰らいついてチャンスを待った。そうしたらセットが取れて、またセットが取れて、さらに取れて彼と握手して勝利していた。何も考えていなかった。」と無欲の勝利であったことを明かした。

4時間36分の激闘を制したルーは、準々決勝で第3シードのN・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。ジョコビッチは、第15シードのL・ヒューイット(オーストラリア)を7-5, 6-4, 3-6, 6-4で振り切りベスト8入りを決めている。

序盤2セットを連取したジョコビッチであったが、第3セットに入ると胃の痛みを訴え、コート上でドクターの診察を受ける。しかし体調を崩した影響からか勢いを失ったジョコビッチは、このセットで2度のブレークをヒューイットに許してしまい試合は第4セットに突入する。

第4セットも一進一退の攻防を繰り広げる中、第9ゲームでこのセット2度目のブレークに成功したジョコビッチが5-4とリードを奪うと、続く自らのサービスゲームをきっちりとキープ、2時間54分で勝利を収めた。

第3セットについてジョコビッチは「少し集中力を切らせてしまったし、胃の痛みで少し調子を落としてしまったんだ。彼は戦いを止めることはないし、だからこそ偉大なチャンピオンなんだ。最後まで何が起きるか気は抜けなかったよ。」と試合を振り返っていた。

この他の試合の結果は以下の通り。

R・フェデラー(スイス) (1) ○-× J・メルツァー(オーストリア) (16), 6-3, 6-2, 6-3
R・ナダル(スペイン) (2) ○-× P・H・マチュー(フランス), 6-4, 6-2, 6-2
A・マレー(英国) (4) ○-× S・クエリー(アメリカ) (18), 7-5, 6-3, 6-4
R・ソデルリング(スウェーデン) (6) ○-× D・フェレール(スペイン) (9), 6-2, 5-7, 6-2, 3-6, 7-5
JW・ツォンガ(フランス) (10) ○-× J・ベネトー(フランス) (32), 6-1, 6-4, 3-6, 6-1
T・ベルディフ(チェコ共和国) (12) ○-× D・ブランズ(ドイツ), 4-6, 7-6 (7-1), 7-5, 6-3

今大会の優勝賞金は100万ユーロ、日本円で約1億1200万円。

(2010年6月29日7時28分)
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