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男子テニスツアーのマスターズ・シリーズであるWSファイナンシャル・グループ・マスターズ(アメリカ/シンシナティ、賞金総額300万ドル、ハード)は22日、シングルス準決勝が行なわれ、第1シードのR・フェデラー(スイス)が、ディフェンディング・チャンピオンで第3シードのA・マレー(英国)を6-2, 7-6 (10-8)のストレートで下し、決勝に進出した。
対マレー戦の連敗を4でストップしたフェデラーは、決勝で第4シードのN・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。昨年の今大会で準優勝に終わっていたジョコビッチは、第2シードのR・ナダル(スペイン)を6-1, 6-4のストレートで退け、2年連続での決勝進出を果たしている。
試合後の会見でフェデラーは、マレーに対する連敗を止めたことよりも決勝に進出したことを強調した。「連敗ストップは問題ではないよ。そのことについては乗り越えている。人はそのことを取り沙汰するけれど、僕には関係のないことさ。自分の試合が出来ているし、それが出来ているときは、世界中のどの選手にも勝てることを知っているからね。」
この日の試合でフェデラーは、マレーに対し1本もブレークポイントを与えないばかりかデュースにすらさせないなど、安定したサービスゲームを展開し、世界ランク2位のマレーに付け入る隙を与えなかった。
「リターンもサーブも酷かったから、第2セットで競れたことだけが良かった。」と語ったマレーは、第2セットのタイブレークで8-7とリードし、1本だけセットポイントのチャンスがあったものの、バックハンドでエラーを犯してしまっていた。「ロジャーと対戦するとき、そんなことを両方すれば難しくなる。」
第1セット第4ゲームでブレークに成功したフェデラーは、そのままリズムを掴むと、第8ゲームでもブレークに成功し第1セットを先取する。第2セットではお互いにサービスキープを続けタイブレークに突入、フェデラーが9-8とリードを奪うと、最後はマレーがダブルフォルトを犯すという、あっけない幕切れとなった。
「ロジャーに良いプレーをさせてしまったら、勝つのはとても難しくなってしまう。」とコメントしたマレー。続けて「第1セットではボールが短くなってしまい、セカンドサーブで攻めざるを得なかったし、リターンも良くなかったから彼にプレッシャーをかけられなかった。僕はコートの真ん中にボールを返すだけだったから、彼に自由にプレーさせてしまった。」と試合を振り返った。
昨年の決勝でマレーに敗れていたジョコビッチは、第1セットで5本のサービスエースと13本のウィナーを決めるなどナダルに対し積極的なプレーを展開しセットを先取すると、第2セットに入っても攻勢を続け第5ゲームでブレークに成功、そのリードを守りきり1時間32分で勝利を収めた。
試合後の会見でジョコビッチは「ナダルは史上最高の選手の1人だし、全てのポイントを全力でプレーする。だからセットを取って、ブレークアップしても最後まで油断しなかったよ。」と試合を振り返った。また、決勝について聞かれると「勝つために必要なことは全てやる。」と意気込んだ。
2ヶ月の休養以来、2大会目にしてベスト4入りを果たしたナダルであったが、世界最高レベルで戦うためには調整が必要なことを認めている。「積極的なプレーが必要だったけど、彼は常にラインの内側でプレーして、僕は後ろに下がってしまった。まだ100%の準備が出来ていないんだ。もう1試合以上このレベルでプレーする必要があるね。良いプレーが出来れば、このレベルでも戦えるはずさ。」とコメントを残した。
今大会の優勝賞金は44万3500ドル。
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