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元世界ランク4位で、父親との確執などから極度のスランプに陥っていたものの、年初の全豪オープンでベスト8入りするなどし復活を果たしたJ・ドキッチ(オーストラリア)が、木曜日行われた全仏オープンで、第4シードのE・デメンティエワ(ロシア)との2回戦途中で腰に激しい痛みを感じ棄権を強いられ、涙でコートを去った。
第1セットを6-4で先取したドキッチは、第2セット2-2としたところで、突如激しい痛みを腰に感じた。「前にかがむと起き上がることができなかったの。いったい何事か未だに分からない。すごい痛みだったけど、深刻でないことを祈るわ。」と、試合後の会見で状況を説明していた。
痛みを感じてからトレーナーを呼び簡単な治療を受けたドキッチは、コートへ戻り試合を続けた。しかし痛みは全く治まらず、泣きながらプレーを続けデメンティエワのサーブをブレークしたが、その後ブレークバックを許し、第2セット3-4とリードされたところで試合を続けることが不可能となってしまった。
「本当にショックで落胆している。試合を手中に収めていた感じだった。勝ってはいないけど、本当に良いプレーをしていたの。今年最高のテニスができていたと言ってもいいくらい。」と、世界ランク4位のデメンティエワから金星を挙げる勢いだった。
2004年以来の出場となるこの全仏オープンで、ドキッチは厳しい試練を与えられた。全豪オープンでも4回戦途中で足首を捻り、試合に勝利したものの準々決勝では思うようなプレーができず敗れ去っていた。
「グランドスラムでは運がないみたい。もう10代でもないし、体のケアをもっとしないとならないわ。本当に深刻な怪我じゃないことだけを祈っている。明日はダブルスが予定されているけど、また痛みが増さないことを願うわ。」
父親の元でテニスを始め、家族と共に旧ユーゴスラビアからオーストラリアへ渡ったドキッチだったが、その後酷い虐待を父から受けていたことを告白し、一時生まれ故郷へ身を置いていたものの、その父から逃れるために再びオーストラリアへ戻っての復活劇だった。
一方のデメンティエワは、あまり喜べない形での3回戦進出に、ドキッチに対して同情の気持ちを表していた。
「このような形での勝利はあまり嬉しくはないし、彼女(ドキッチ)はかなり辛かったと思う。とても安定したプレーをしていたから、本当に不運だったとしか言いようがない。今日は勝てた試合じゃなかったかもしれない。」続く3回戦ではドキッチの同胞のS・ストザー(オーストラリア)と顔を合わせる。
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