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弱冠23歳での現役引退。少し早すぎるような気もするが、10代からトップ選手として活躍してきたK・クレイステルス(ベルギー)にとっては充実したテニス生活を送った上での決断だったのだろう。結婚することを機に彼女は今年5月にツアーを去った。
今年7月に結婚したブライアン・リンチ氏はアメリカ人バスケットボール選手で、現在はベルギーのリーグでプレーしている。かつては、ウィンブルドン混合ダブルスでともに準優勝したL・ヒューイット(オーストラリア)と4年の交際を経て2003年に婚約したが、10ヶ月でその婚約を解消。ちょうどこの時期に、それ以降たびたび悩まされることになる左手首を痛めて戦線離脱しており、後に「リハビリの間に経験したさまざまなことが、自分自身を変えてしまった」と語っている。
父が元サッカー選手、母が元体操選手、妹もテニス選手というスポーツ一家に育ったクレイステルスは、S・グラーフにあこがれてテニスを始め、プレースタイルはパワーヒットを得意とするストローカーで、大きく足を広げたスライディング(滑り込み)も出来る柔軟性のある選手だった。
1998年にウィンブルドン・ジュニアで決勝に進出し、翌年にウィンブルドンでグランドスラム本選デビュー。その後、シングルスでは34タイトルを獲得し、現女王のJ・エナン(ベルギー)とともにベルギーのテニスを引っ張ってきた。四大大会では5度決勝に進み、2005年のUSオープンで念願の初優勝を飾った。最後のツアー優勝は今年1月のシドニーで、最後の試合は5月のワルシャワの1回戦だった。
特筆すべきは、最近の選手にしては珍しくダブルスとの掛け持ちも成功させたことで、通算11勝を記録し、史上5人目の世界ランク単複1位に輝いた(他にはM・ナブラチロワ(アメリカ)、A・サンチェス=ビカリオ(スペイン)、M・ヒンギス(スイス)、L・ダベンポート(アメリカ)の4人)。2003年には杉山愛(日本)と組んで全仏オープンとウィンブルドンで優勝している。また類まれなスポーツマン精神も持ち合わせており、「四大大会を制覇できないのは、その優しさが邪魔しているのでは?」と言われたほど性格の良さでも有名だった。
7月14日に挙げた結婚式では、飛び切りの笑顔で写真に納まっているクレイステルス。最高の幸せを手に入れた今、もう現役復帰することはなくとも、元女王の実力と素晴らしい性格を活かして、何らかの形でテニスに関わっていってほしいと思う。
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