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3日の全米オープン男子シングルス3回戦で敗れ、アンドレ・アガシ(米国)が現役に終止符を打った。テニスに破天荒ともいえたファッションを持ち込み、女優とのラブロマンスでわかせる一方、現代のストローク力優位のテニスの先駆けとなった。20年以上活躍した世界の名手だった。
16歳でプロ転向した当初は、派手な格好が話題となった。長髪、蛍光色の柄のウエアにデニム地の短パン、ラケットは黄色。「ウエアは白」と伝統を重んじるウィンブルドンと対立した革命児だった。1992年、そのウィンブルドンで、反応抜群のリターンと強ストロークで4大大会初優勝。芝コートをベースラインから制したボルグ(スウェーデン)以来の選手だった。
だが、手首の故障などで97年に世界141位まで転落。「日々、自分の最大限を出すことだけを考えた」。99年に女優ブルック・シールズさんとの結婚生活が破局を迎えたが、同年の全仏オープンで男子史上5人目の4大大会全制覇を達成。
元テニスの女王、シュテフィ・グラフさんと2001年に結婚したことが転機になった。「最後の6年を頑張れたのは彼女のおかげ。多くのものを与えてくれた」。30歳を過ぎても4大タイトルを取り、世界1位にも史上最年長で復活。晩年は髪をそり上げ、冷静沈着な求道者のような姿で、ファンの支持も増した。
ラケットを置く。「悲しみではない。未来への期待が入り交じった感情」。稼いだ巨額の富で恵まれない子どもたちのための基金や施設を運営している。今後は静かにその活動に励むという。(共同)(了)
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