テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は26日、男子シングルス1回戦が行われ、世界ランク350位の錦織圭が予選勝者で同166位のG・ディアロ(カナダ)を7-5, 7-6 (7-3), 3-6, 1-6, 7-5のフルセットで破り、2021年以来3年ぶり11度目の初戦突破を果たすとともに、約2年9ヵ月ぶりとなった四大大会で白星を飾った。試合後の会見では現在のフィジカルコンディションについて明かした。
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34歳で元世界ランク4位の錦織は3月のマイアミ・オープン(アメリカ/マイアミ、ハード、ATP1000)以来 約2ヵ月ぶりの公式戦出場。今大会にはプロテクトランキング(負傷などによる長期離脱選手の救済措置)を使用してエントリー。全仏オープンに出場するのは2021年以来3年ぶり12度目。最高成績は2015年・2017年・2019年に記録したベスト8となっている。
身長203cmのディアロとは初顔合わせとなったこの日の第1セット、第4ゲームでダブルフォルトやミスショットからブレークポイントを与えた錦織は鋭いリターンを返球できずブレークを許すが、第9ゲーム、15-40とするとラリー戦を制してブレークバックに成功する。
第10ゲームでは2度のセットポイントとなるブレークポイントを握られるも粘りをみせキープすると第11ゲームで2度目のブレーク。サービング・フォー・ザ・セットとなった第12ゲームをキープした錦織はゲームカウント2-5から5ゲームを連取する追い上げを見せて先行する。
続く第2セット、第1ゲームでいきなりブレークチャンスを掴んだ錦織は強烈なフォアハンドウィナーを決めブレークに成功するも直後の第2ゲームでブレークバックを許す。終盤となる第11ゲームで錦織がブレークを果たすも再び直後のゲームでブレークバックを許しタイブレークにもつれ込む。先に2度のミニブレークに成功し4-0とリードすると、1度はミニブレークを返されるも6-3とセットポイントを握る。最後は錦織の強烈なショットをディアロが返球できず、セットカウント2-0と勝利に王手をかける。
そして第3セット、第6ゲームで先にブレークチャンスを握った錦織だが活かせず直後の第7ゲームではミスが目立ちラブゲームでブレークを許す。その後はブレークを返すことができず、逆に第9ゲームで2度目のブレークを奪われ、セットカウント2-1とされる。
第4セット、開始から互いにブレークポイントを握ると第4ゲーム、錦織はディアロの強烈なフォアハンドショットに苦しみブレークを許す。その後はブレークを返せず、わずか1ゲームしか取るこができずに2セットオールに追いつかれる。
第4セット終了後にメディカルタイムアウトを取った錦織は腰を治療。プレーを続けファイナルセットを戦うも第1ゲームでいきなりブレークを許す。それでも直後の第2ゲームでブレークバックのチャンスを掴むと強烈なフォアハンドウィナーを沈めすぐさまブレークを返すと、その後錦織は右肩を回すなど同箇所に違和感がある動きを繰り返すなかサービスゲームのキープを続ける。
ゲームカウント6-5で迎えた第12ゲームのリターンゲームで錦織は勝利を決定づけるブレークに成功。4時間22分の死闘を制し初戦突破を決めた。
試合後の会見で錦織は現在の体の状態、そして2回戦に向けた思いを語った。
「さすがに久しぶりで、5セットだったので体がreadyの状態ではなかったです。2セット目からけっこうきてたので『ヤバいな』とは思いつつ。4セット目とかは足がもつれたり、動いてくれなかったりもあったんですけど、5セット目、ちょっと治療してもらって良くなったんですけど、最後は気持ちで戦い抜いたかなと思います」
また、2回戦については「体はけっこうきていたので、明日明後日の様子見て決めようかなと思います」と現時点では棄権する可能性もあることを示唆した。
最後に錦織は「勝利もそうですけど、プレーがなんとなく戻ってきたのがうれしいですね。マイアミでは緊張もありながら久しぶりの試合で何もできず。感覚もあまりないから思いっきり打てないとかもあったんですけど。今日は悪いながらもそんなにミスする感覚もなかったです。それが1番良い結果でしたね、今日は」と締めくくり会見場をあとにした。
2回戦では第15シードのB・シェルトン(アメリカ)と世界ランク88位のH・ガストン(フランス)のどちらかと対戦する。
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