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Vol.3上級者への道 フォアハンド編 上巻

前提の技術 ボールとの距離のとり方

横方向の距離感を大切にしよう

 ボールとの距離のとり方というのは、一般のスクールなどではあまり指導されることがないので、ピンと来ない人も多いかもしれないが、「前提の技術」として非常に大切な要素だ。また一般的には、打点の前後の調整だけが意識されることが多いが、ここではボールと自分との横方向の距離感(つまりボールをどれだけ身体から離すかという部分)の大切さを強調しておきたい。

 横方向の距離感というのは、できている人は無意識のうちに正確にできているものだが、バラツキが多く不安定な人や、つねにボールに近づきすぎるクセがある人が意外に多い。たとえば、よく「腕が縮んでいる」と言われる人は、フォームが悪いのではなく、ボールに近づきすぎているのが原因なのだが、その問題に気づいていない人が非常に多く、さらに気づいたとしても矯正がむずかしいという意味でやっかいなのだ。

 したがって、つねにボールと適切な距離をとるというのは、サナギ(中級者)の段階でしっかりと習慣づけておきたい。横方向の距離感を磨くためには、下のイラストのような内部意識も有効なので、これを機にあらためて意識してみてほしい。


ボールと自分の身体との距離(横方向の距離感)を安定させるためには、ボールに向かって動いている段階で、自分の打点の位置が正確にイメージできている必要がある。
それを明確にするためには、身体からマジックハンドが生えて、つねに打点の位置を示しているようなイメージを持つと効果的だ。
身体の外にある打点が、まるで自分の身体の一部になるかのようにイメージをふくらませていきたい。

微調整が効く余裕を作ろう

 ボールとの距離を適切にとるためには、スウィングに入る直前の段階で微調整ができる余裕を作っておくことも大切になる。そのためにできる対策は2つあり、ひとつは、できるだけ最後まで足を細かく動かし、足の位置を決めるのを遅くすること。もうひとつは、スタンスの前後幅をある程度作るということだ(下のイラスト参照)。どちらも足がさぼっていたらできないことなので、日頃の練習から労を惜しまずこまめに足を動かす意識を持ってほしい。


このように前後幅のあるスタンスで構えていれば、体重移動の距離や方向を変えることで、状況に応じて打点の位置を微調整をすることができる。
したがって、多少タイミングがズレても修整することができるが、前後幅のないスタンスでは、こうした調節ができなくなってしまう。


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(テニスジャーナル 2003年5月号)
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