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フォアハンド編

Vol.7 トッププロの最新技術 ここを盗め! フォアハンド編 下巻

身体の脇への低い振り抜き ①

上にフォロースルーしなくていいの?

写真右のようにフォロースルーを低い位置に振り抜いている姿も、トッププロの写真ではよく目にする。昔からの教えでは、「フォロースルーは上に」というのが常識で、左肩の上にフィニッシュするのが良いとされていたが、こんなに低いフィニッシュで本当に良いのだろうか。

上にフォロースルーしなくていいの?

身体の回転を行かした当然の結果

こうした身体の脇への低いフィニッシュも、現代的なフォアハンドにおいては、じつに理にかなっている。下の2つのイラストを比較してもらえばわかるように、横振り気味のスウィングをすれば、フィニッシュが低くなるのは当然だからだ。

では、なぜ横振りなのか? そのメリットには、次のようなものがある。

 1.身体の回転力を生かしやすい

 2.高い打点で打ちやすい

 3.スピンが多くなりすぎない

 4.大きく振りぬきやすい

また、大きく振り抜いたときも、ワイパー系のスウィングになるので押さえが効く(ボールが浮かない)という面もある。つまり、今はすでに「横振りの時代」になっているのだ。

横振り系のスウィングをすれば、フィニッシュも当然低くなる

このように横振り気味にスウィングすると、ラケットの位置がいちばん高くなるのは腕が前方に行ったときで、その後は逆に下がっていって、最後は身体の脇にいく。つまり、低いフィニッシュは、横振りした結果として当然のことなのだ。こうした横振りのスウィングは、身体の回転と動きの方向が一致するため、回転のパワーをより効率良く生かすことができる。つまりパワーアップにも貢献するわけだ。

縦振り系のスウィングでは、フィニッシュが高くなる

このような縦振り系のスウィングをした場合は、左肩の上に振り抜く高いフィニッシュになる。昔はこちらが常識であり、「上に振り抜け」というアドバイスも、縦振りスウィングには有効となる。ただし、身体を大きく回転させる場合には、縦振りでは回転力を生かしにくいというデメリットがあるため、今のトッププロでは少数派となっている(低い打点で打つときは使われる場合もある)

J.ブレークの低い位置に振り抜いたフォアハンド
横振り系のスウィングを正面から見た場面。インパクト後の腕とラケットの動きを見ると、7コマ目でもっとも高く上がり、その後は逆に下がっていって、最後は左腰の上ぐらいで終わっている 8。また、ここでも上体は約180度回転しているが、低いフィニッシュと大きな身体の回転は、セットで行なってこそ意味があるのだ。
J.ブレークの低い位置に振り抜いたフォアハンド
X.マリスの高い打点から低い位置に振り抜いたフォアハンド
高い打点で打つ場合、縦振りで打とうとするとスピンが多くなって前への推進力が弱くなってしまうので、できるだけ攻撃的に(フラット気味に)に打つには、このように横振りのスウィングが欠かせない。このスウィングなら、ボールを押さえこみやすいし、大きな振り抜きも可能になり、結果的にフィニッシュは10のような低い位置に収まる。
X.マリスの高い打点から低い位置に振り抜いたフォアハンド

「身体の脇への低い振り抜き ②」 >>

(テニスジャーナル 2005年6月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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