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フォアハンド編

Vol.2 最新型フォアハンドの8つのキーポイント 下巻

現代的なパワフルなフォアハンドを打つためには、どこに気をつければ良いのか、上巻に続いてさらに4つの重要ポイントを整理していこう。

その5:スウィング軌道を身体の回転と一致させる

一昔前は、右下のような左肩の上に振り上げるスウィングが基本とされていたが、今のトッププロを見ると、そのようにスウィングしている選手は少ない。今の主流は、左下のように横振り気味にスウィングして、低い位置にフィニッシュするタイプだ。その理由は、身体の回転と同じ回転軸で腕を振ったほうが、力が効率良く伝わり、速いスウィングができるからだ。逆に、遠心力に反して無理に腕を縦振りしようとすると(写真右下)、身体の回転軸から外れて力の方向が分散し、せっかくの回転エネルギーをロスさせてしまうのだ。

回転のパワーを生かしやすいスウィング

無理に縦振りにするとパワーがロスしてしまう

その6:手首を使いすぎない

よく「リストを使ってパワーアップする」と言われるが、今の強力なフォアを打つ選手をよく見ると、積極的に手首を使っている印象はない。下の写真(ナダルの例)を見ても、テイクバックからインパクトまで手首の角度に大きな変化はない(フォロースルー後半では手首が脱力する)。力を入れて手首を固めるという意識は必要ないが、スウィングの加速度に負けてラケットヘッドがあまり遅れることがないように意識したほうが、パワーロスは少なくなるのだ。

ナダルでもインパクト前はあまり手首が動かない

その7:オープンスタンスでは「ひねり上げ」が大事

×のイラストのように、ただ軸足を上に伸ばすだけだと、腰を回転させる力が生まれず、いわゆる「手打ち」の弱々しいフォアになってしまうからだ。それに対して、イラスト○のように軸足を「ひねり上げる」(テイクバック時に太ももをねじり、それを戻す)と、それによって腰の回転が生まれ、体幹の回転を生かしたフォアハンドが打てるのだ。

足のひねり上げが腰の回転を生む

ただ上に伸び上がるだけでは腰が回らない

その8:骨盤の前傾を意識しよう

身体の回転を生かしたフォアハンドを打つためには、姿勢(=ポスチャー)も大切になる。とくに股関節を有効に使ってヒップターンをしっかり行なうには、骨盤が前傾した状態(写真左下)を作ることが重要だ。こうすると足の力が効率良く正確に体幹に伝わり、速く動き出せるので、胸を張って上体を起こし、つねに骨盤を前傾させるという基本姿勢を大事にしたい。写真右下のような骨盤が後傾した姿勢になっていると、反応が悪く、軸も安定しなくなってしまうので注意したい。

正しいポスチャー

間違ったポスチャー

(テニスジャーナル 2004年6月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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