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アシックス「PRESTIGE NEO」企画担当者インタビュー! 「議論の連続、自信の一足」

アシックス「PRESTIGE NEO」企画担当者インタビュー
「PRESTIGE NEO(プレステージ ネオ)」の企画を担当した井上雄策さん
画像提供: tennis365.net
アシックスが2026年1月に発表した新作テニスシューズ「SOLUTION SPEED FF 4(ソリューション スピード エフエフ 4)」と「PRESTIGE NEO(プレステージ ネオ)」が話題だ。特に、後者は前作から大幅なリニューアルということもあり販売店も熱視線を送っている。そこで、アシックスジャパン(株)カテゴリー統括部 コアパフォーマンススポーツフットウエア部 FWプランニング・MDチーム井上雄策さんのインタビューをベースに、「PRESTIGE NEO(プレステージ ネオ)」開発の裏側に迫ってみた。


「社内で議論をぶつける毎日でした(笑)」(井上さん)

新作「PRESTIGE NEO(プレステージ ネオ)」の誕生秘話は、笑顔の中にもまっすぐな視線で語った冒頭の一言に尽きるのかもしれない。

アシックスの「プレステージ」シリーズといえば、20年近く続く人気シリーズ。2023年末に登場した前作の「PRESTIGELYTE 5 OC(プレステージ 5 オーシー)」もヒット商品となったが、新作が情報解禁されるや驚いたファンが多かった。

何しろ前作に比べて2000円近い(税込1万5800円→税込1万3970円)プライスダウン。原材料が高騰し、物価が上昇し続ける日本の現状を考えれば大英断であり、大きな葛藤があったのは想像に難くない。

「議論といっても建設的でした(笑)。硬式テニスが主流の海外に比べて、日本のテニス市場は独特です。しかも、弊社が提供している他のテニスシューズに対し、PRESTIGE(プレステージ)は日本市場をターゲットにしているシリーズ。改めて日本市場を徹底的に研究し、日本の販売店やプレーヤーの方にヒアリングをした中で、試行錯誤しながら商品企画をしてきました」(井上さん)

日本市場について補足すると、部活動を中心にソフトテニス(軟式)からテニスを始める人も多い。

「30代以上の世代には人気のあったPRESTIGE(プレステージ)シリーズですが、学生となると1万5000円という価格はなかなか手を伸ばしにくいと感じていました。シューズ以外の用具にもお金がかかりますし……」(井上さん)

確かに学生のみならずテニスを始めたい初心者にしてみれば、耐久性や動きやすさも判断できない中で高価なシューズを選ぶのは慎重になるだろう。

「さまざまな年代の方に、いいシューズをしっかり手に取っていただけるような価格で、というのがブレない軸でした。いろいろ企業努力をさせていただいたシューズになります」(井上さん)


(写真)プライスダウンという大きな課題に対して理由やプロセスを熱く語った井上さん

そこで気になるのが、どのようにしてプライスダウンを実現したかだろう。しかも、アシックスには「健全な身体に健全な精神があれかし(Anima Sana In Corpore Sano)」という創業哲学がある。カラダだけでなく、ココロに対してもスポーツがもたらすポジティブな影響を信じて物づくりを行ってきた同社にとって、価格のダウンと品質の低下がイコールはあり得ない。前作を上回る機能性を追求しながら、いかに価格を抑えるかーー。その答えのひとつがアッパー素材の変更だった。

「これまでのプレステージは軽さを重視してメッシュ材をメインにし、耐久面を必要とするところには人工皮革を使っていました。しかし、プレー頻度の高い人は、軽量感は必要としながらも耐久性を求める。耐久性を保ちながら軽量感を出すのはすごく難しいし議論を重ねる大きなポイントになったわけですが、まずはポリウレタンにすることで耐久性とフィット感にこだわりました。もちろん、細かい部分での軽量化も図っています」(井上さん)

前作に比べて片足約20グラム(27.0cm)重くなっているが、東京・昭島で行われた販売店の試履会では「軽いね」という感想が相次いだ。履き心地やフィット感の向上により数値以上の軽さを実現し、重みや不快感につながらない設計は、さすがシューズのリーディングカンパニーといったところだろう。


(写真)機能面、デザイン面でも高級感を意識したという

「あとは、価格を下げたことによる”安価に見えてしまう印象”をどう払拭するかですね。高級感を意識しました。例えば、アッパーの裏にメッシュ材を貼っていて、その上のポリウレタンの隙間からメッシュが見えたり、あえてストライプを下までつけていない点などですね。テニスプレーヤーは見た目も大事にされるので、『履いているプレーヤーがかっこいい』『気分が上がるデザイン』を目指しました」(井上さん)

そして、井上さんの表情が最も緩んだのが、シュータン部分の説明だ。プレーヤーが少しでもプレーに集中して動けるようにという配慮から、結んだひもをしっかり収められる「ガレージ」のような機能を搭載している。


(写真)ひもが切れたりひっかかったりするのを防止するなど、プレーヤー目線での開発が随所にうかがえる

「担当者としてのこだわりです(笑)。特に、最近のテニスは足を横に滑らせる動き(スライド)が主流です。この動きの際に、ひもが切れたり引っかかったりするのは避けなければいけない。ひもをしっかりと締めた際に、場合よっては少し長すぎるとプレー中に踏んでしまって邪魔になりますから」(井上さん)

「テニスは世界的には伸びているスポーツだけに、日本のテニス市場も一層盛り上げていきたい」という思いから誕生した、新作「PRESTIGE NEO」。オムニ・クレーコート用、オールコート用を用意し、日本のテニスに熱中するプレーヤーの足元を支える構えだ。

※その他の「PRESTIGE NEO」の特長
・ミッドソール(アッパーと靴底の間の中間クッション材)中部には、ねじれを抑える硬いパーツ「TRUSSTIC(トラスティック)」を搭載し、優れた安定性でフットワーク時の前方への加速をサポート
・靴底はプレーを支えるためのグリップ性を追求。オールコート用ではプレー中に力のかかる部分を考慮し、網目状の意匠にすることで、グリップ力と柔軟性をよりよいバランスで実現している。一方のオムニ・クレーコート用では、グリップ力を発揮させるため意匠の形状と向きの検証を行い、適切な形に設計している。

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